自らの視点を持ち「問い」をつくる

大学受験に臨むまでは、学生は難問に挑んで解いての繰り返し、そして受験という大きな関門を突破していくことに重きを置いていたはず。
それは効率的な解答テクニック、解答する姿勢を足跡として残すテクニックや出題者の意図を読み取るスキルに磨きをかけてきたことにもつながる。
意図を読み取るということでは、まさしく出題者に対して「忖度」してきたわけだ。

変わらないことも尊重する

だけど社会人としての「忖度」は顔を知らない・顔が見えない出題者ではない。
その相手は会社の先輩・上司あるいは顧客となる。
同じ「忖度」とするにしても、そこには責任が発生し、またそこから見えてくる風景も変わってくる。
つまり人間関係とその影響。

その先輩達と何か新しいものを創りだそうとミーティングをしていた時、また「変化」を求められている時、先輩・上司のなかに、口癖のように出てくる言葉がある。
「これまではこうやってきたわけだから・・・」
「そんなことはやったことがない。」
「変えることで良くなる確証がなければ、今のままでいい」
「他の成功事例があればいいが、聞いたことがない。」・・・・云々。
と「変化」に対して消極的になる。

彼等の全てが悪いわけではない。そういった考え方が必要とされる場合もある。
従来のやり方での成功が現在の会社をつくってきたのも事実であるから、それを否定することに意味はないし、何も生まれない。そこは尊重しよう。

一方で、外部環境の変化とそのスピードは加速していっている。
これに対し内部環境が変わらずにいつづけるのは非常に困難だし、内部環境的には抵抗感もある。
心得ておかねばならないのは、外部環境の変化によって、市場から拒絶される場合は、残念ながらある。
ましてや、現在新型コロナによって、働く環境は半ば強制的に大きく変化し始めている。
これが今後の企業のあり方に大きな変化をもたらすことは想像に難くない--2020.04.12追記

何が求められるのか?

今後、社会人、特に企業に勤めている人に求められるのは、
●将来起きうる変化を乗り越えていくチカラ
●自ら課題解决していくチカラ
これらを養い、発揮していくことだ。
誰かがいっていたが「人生はリーダーシップとマネジメントだ」と。
その通りだと思う。これがなければ、自分自身も会社も社会を生き抜いていけなく成るだろうし、ツラくなる一方だ。
リーダーシップの持つ視点は、将来的で長期的なもの。これは変化が求められている時に必要となる。
マネジメントの持つ視点は、短期的な目標達成、その維持と調整といったもの。これはモノゴトを確実にやり遂げる時に必要となる。
「将来起きうる変化」は想定外であったコロナショック後、「働く環境」の変化とともに人の持つ価値観をも大きく変えていくと考えられる。また上記の2つのチカラはこれまでにも語られてきた。これがより加速すると考えられる。---2020.04.12追記
優れたリーダーと言われている人にしても、優れたマネージャと言われている人にしても、上記の2つの視点を持っているのが私の実感。
オープンな対話をする時間での彼等の発言を聞いていると、その職位・役割によって、多少バランスが違いはあるが、確実に上記2つの視点で考えていることが伺える。

では、彼等はどうやって考えているのだろうか?

考えるには「問い」が必要

彼等がやっていることは、シンプルで素直な行動だ。
常に「問い」を持っている。
この「問い」を持っているからこそ、ふとした時に答えが浮かんできたり、周囲の意見のなかからそのヒントを見出せている。
「さぁ、考えるぞ」として、考えているわけではなく、常に「問い」を持っている。
そして何より重要なことは、自分の「問い」に対する、自分の中の「答え」にこだわってはいないということだ。

では、どんな「問い」を常に持っているのだろう?

自らの視点を持ち「問い」をつくる

















一つの視点と2つの姿勢

「問い」を持つには、「視点」が必要だ。
自然に浮かぶ「問い」はもちろんある。
優秀なリーダーやマネージャといってもスーパーマンではない。
多くの視点を持ち、それを駆使して、問いをせっせとつくっているわけでもない。
彼等の多くが持っている視点は、たった一つでしかない。

1.目的・目標からの明確な視点を持っている。
彼等の明確な視点は必ず「目的」と「目標」から生まれている。
長期的な視点と短期的な視点である。
上記したリーダーシップから来る視点とマネジメントから来る視点だ。
これはブランド構築の最初に問われる「どこから来てどこに行くのか」と通じるものだ。
例えばこんな感じの問いだ。
「私がやろうとしていることは、目的に沿ったものになっているか?それは目標につながっているのか?」
そこから新たな問いが生まれてくる。
新たな問いが細かくなればなるほど、何が足りていて、何が足りていないのかが浮き彫りになる。これを繰り返し常にやっている。

2.他の人の視点も尊重する姿勢
また優れたリーダーや優れたマネージャは他者がどのような視点を持っているのかを知ろうともする。自分の視点が絶対だとは思っていない。
簡単にいえば「自分との違い」を見ているということだ。
両者に違いが生じた場合、素早く調整するためには必要だからだ。
視点が違えば、自ずと答えも違ってくる。
他者から否定されてもめげることはない。
その人との「違い」を明確にしていけば、互いの意見の尊重につながることを彼等は知っている。
またその違った視点は、自身の新たな視点として蓄積し、その後活用されることになり、彼等は更に成長する。

3.まず自分に、それから他者に問う姿勢。
上記のように優れたリーダーやマネージャは積極的に「問い」を作って、持っている。
そして、すぐに他者に問いかけることは、ほぼない。
まず自分に問うことから始め、自身のなかにある答えを出す。
もちろんその答えを出すために、調べるということはかかさない。
調べることは自身の答えをより明確にするきっかけになるし、更に「生きた知識」として得ることになる。
ただ専門分野以外のことになると、急ぎの場合は、詳しい人に聞くこともある。
できるだけ自分で答えを出すことを諦めずに続けている。
この時の彼等の多くに共通するのは、どれだけ自分に対して正直でいるかということだ。

以上の1つ視点と2つの姿勢を繰り返している。

自らの視点を持つために

何よりも仕事を楽しみ、楽しいと思えることを持続・継続できるようにする。
そうしていくことで、自分の得意なこと、好きなことがはっきりしてくるし、チカラが発揮できるところも浮き彫りになるだろう。

楽しめない仕事、直接仕事とは関係ないことでも、可能な限り興味を持って、関わることで、自然と「問い」も生まれてくるだろう。
そうしていくと、いつしか自らの視点を持てるようになり、加速度的に自身を成長させる武器となるだろう。
「興味がない」と一蹴することは簡単だが、それだけ自身の成長へのきっかけを失うことにもなることは知っておきたいところだ。

私は60歳近くの人でも、敢えて自らにこれらを課して仕事に取組んでいる人を数名知っている。ごくごく平凡な普通のおっさんだしおばさんだ。
若い人からみれば遅々とした感もあるが、それでも日々一生懸命仕事に取組み、かつ楽しそうに活躍し、「若い頃からやっておけば良かったなぁ」とニコニコ顔で反省している。

この記事は「忖度」という言葉が流行った頃、2017年4月12日にアップしたものに、若干の追記をしたものです。
これからのことを考えると、不安になります。だからといって何もしないというのは、更に自身の不安を強化するように思えます。
自宅待機やリモートワークに移行した人は、時間がたっぷりできるので、考えるチカラを自ら養うことをどんどんやってもらえればと考えています。
-2020.04.12追記


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