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1月, 2020の投稿を表示しています

べき論でがんじがらめ

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先日のこと。他の講師がやっている「マネージャ研修」のテキストを見せてもらった。 やたらと「~するべき」と記述されていた。 マネージャとして、こう在るべき、こうするべきが延々と書いてあった。 吐き気がした「べき論」の連発 あまりに多いので、約30ページからなるそのテキストに出てくる「べき」の数を数えてみると、約350個。 途中で気分が悪くなってきた。それこそ吐きそうだった。 「それだけ、しっかりマネージャとして動けていない人が多くなってきているのから、これぐらいでちょうどいいんです。」と言われた。 それはそれで理解はできる。だけど気持ち悪いことには変わりはない。 「ほんとにそう思ってるんですか?」と聴いてみた。「いやいや批判する意味でやってるわけではないですよ。」の回答に少し吐き気は収まった。 「べき論」とルールが多い企業の共通点 べき論が多い企業では、やたらとルールをつくる。 その土台になっているのは、様々な研修で教わったこと。しかも教わった知識を自社に合ったカタチに変えずにそのまま適用させている場合がある。そうやってルールがどんどん増えていく。 ルールを守らせるために更にルールをつくる。まさにルールのためのルール。 ルールが多い企業の共通点は、それだけ仕事に対するモラルや向上意欲、成長意識が低い人が多いということだ。まさしく鎖でがんじがらめになっていて、仕事すること自体に希望を見いだせなくなっていたり、仕事そのものが、只々しんどいものでしかないものになっているようにも見える。 もちろん会社だけの問題ではない。個人の資質として「べき論」が強い人もいるだろう。 べき論を振りかざす人 それでふとクライアントの社員さんのことを思い出した。 「マネージャなんだから、こうするべきですよね。でもうちの上司はそれができないというか、しないんですよ。」と言っていることが多くあるのだ。「べきべきべきべき」言っている。そして否定の塊と化していく。周りに人からも「否定的な人」と言われている。本人の話をよくよく聴いてみると、そういう上司のことはだんだん嫌いになっていったという。あらら・・・という感じ。 このような人は研修などで学んだ「べき論」を使って、上司の至らないところを攻撃する材料に使っている側面がある。それこそ完璧さを求めている。 気持ちはわから

ビジョンドリブン 妄想を理想に。更に構想へ。

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ビジョン・ドリブン ビジョンは他の人には見えない妄想から始まります 妄想を理想に。更に構想へ。 ●ビジョンの 最初は 「妄想」 です。最初は一人の妄想に過ぎないことが多いものです。ですがこれを言葉にほって明文化することにより、妄想に「勢い」が生まれ始めます。 ●勢いのある明文化された妄想は、会社全体・社員間で話し合い、共有を重ねていくことで、全員の 「理想」 に変化していきす。もっとも時間がかかる段階でもあります。もちろん理想に対して背を向ける人も出てくることもあります。だからといって排除することもなく、その意見もしっかりと検討内容に入れていくことで、より多くの賛同を得ることに繋がります。 ●賛同を得て共有された理想をそのままにしていても絵に書いた餅でしかありません。ここで重要なことは実現していくための 「構想」 を練ることです。妄想・理想を成し遂げていくうえで、どのようなものが必要とされるのか?それらをどのように準備していくかを検討します。また、この先どんな社会変化が起きるのか?予想は難しいものがありますが、政治や法律によって確定された将来というものもあります。まずはこれらの影響に対してどのような手を打っていくかを検討していきます。 ●構想はあくまで「どのようなものか」という基準でしかない場合もあります。大事なことは判断できるほどになっているかどうかです。そして構想から実現可能な計画をし、必要なリソースやスキルを明確にし、人材や組織に関しては、必要に応じたプロジェクトやトレーニングなどを 「実装」 していきます。 ●実装してしまえば、求める結果に向けて、目標に向けて計画を進めていくことになります。実際は調整しながら 「実走」 します。 このプロセスをサイクル化し、妄想や理想に留めず、個人の学びをチーム・組織の学びとしていくことが 「 学習」する組織 としての確実で早道であると弊社では考えています。 そしてこのビジョン・ドリブンに関して、弊社ではいくつかのメソッドと既存サイクルを利用しています。 ➽ コア・メソッドを参照 人材のチカラを活かして推進する。 理念とビジョンが企業を表すものであると同様に、働く一人ひとりも自分自身を表すものを持っています。これ

コミュニケーションでのポリリズム~Perfume

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2007年11月6日に書いた「 質問とポリリズム 」の焼き直し。 パフュームが2019年末の紅白歌合戦で、久しぶりにポリリズムを歌っていました。 それで、随分前に書いたこの原稿を思い出しました。10年以上経っても言いたいことに変わりはないのですが、読み返してみるとわかりずらいものだったので、書き直すことにしました。以下、焼き直したものです。 以下、焼き直し。 ------------------------------------------------------------------------------------ 時として質問は何でも良い と以前に書きました。今回はその続きです。 コミュニケーション研修で学ぶこと 大事なことは、どこまでも相手のペースに合わせて、根気よく言葉を交わしていくことです。時には具体的なアドバイスも必要な場合もあるでしょう。そうすることで二人のペースができてきます。いわゆる「合う」という状態です。 本来、人それぞれののペースは違うものなので、複合的なペースではあります。 ペースが合いだしたら、それをキープしていくことが大切です。 と、ここまでは大抵のコミュニケーションの研修では教え、教えられることです。 ペースが合うことに対する疑問へのヒント では、ペースが合ったところで、発する言葉のリズムはどうでしょうか? お互いにペースは合ってはいるものの、一方は速く、一方は遅い。 それでもペースは合っているのは、錯覚ではないのか? コミュニケーションの研修をする立場でありながら、そのことにずっと疑問を持っていました。 そこに一つの解答のヒントを与えてくれたのは、パフュームの「ポリリズム」でした。 以下、 WikiPedia  からの一部引用です。 「ポリリズム」の歌唱部では音楽用語でいうところの複合拍子(ポリリズム)は使用されていないが、間奏部ではいままでの4拍子の流れに「ポ・リ・リ・ズ・ム」という日本語発声の5つの音韻をそのまま5拍でのせて繰り返すことにより、ポリリズム(それも最も基本的な)をつくり、楽曲名と楽曲構造が重なる部分を作り出している。さらに、ベースは3拍、高域のシンセによるシーケンスは6拍で組まれており、決して4拍子の流れに5拍の音韻を乗せただけの基本的なポリリズムではなく複雑な

2020年 謹賀新年 バランスを取れる石

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新年、明けましておめでとうございます。 昨年末より今年はどんな年になっていくのか?どんな年にしていくのか?ツラツラと思い浮かべていました。そんな中、Twitterで 1970年の大阪万博での三菱未来館が描いた50年後=2020年の姿 が話題になっていたことを思い出しました。 技術革新と国際情勢から来る変化 この1970年の万博をリアルタイムで観た時は、子供心にワクワクするものがありました。 一部は実現しているものもあります。これらはほぼ現在の技術革新がもたらしたものです。特に通信とそれを活用するスマートデジタル機器の進化はビジネスや生活に大きな変化をもたらしてきました。今年は5G通信が始まり、更に大きな変化を促す年になっていくのでしょう。  今年は東京オリンピック・パラリンピックの開催があります。開催前と開催中は景気は上昇すると見込まれていますが、開催後は減退するだろうと言われています。またキャッシュレス決済利用還元も終了します。これらがどのようにビジネスに影響してくるのか?更に地方の人口減少と財政難は加速する一方です。また地球温暖化とこれに伴う大型台風の発生は加速していく一方です。 そして今年は国際面でもいろいろと影響がでてきそうなものがあります。例えばアメリカ大統領戦、イラン問題、台湾総統戦、香港の立法選挙、ドバイ万博、ブレグジットなどが、その最たるものでしょう。 身近なところでは目的不在のままカタチから入った働き方改革は、すでに形骸化しつつあり、何が変わったのか曖昧で成果が見えない企業も増え始めています。アイドルグループ嵐の活動休止も働き方改革の一例だと考えられます。 都内においては高輪ゲートウェイ駅や虎ノ門ヒルズ駅の開業によって、人の動きが変わり、どのような経済効果が生まれるのかも気になるところです。 VUCAな状況が続いてもチャレンジすること 昨年末、クライアントから「グループ企業全体の・・・グループのビジョンをつくりたい。10年後の姿を描きたい」というオーダーがありました。グループのトップとして上記のような技術革新や国際情勢からの影響も考えると、心中穏やかではない状態なのでしょう。10年どころか3年先も見えないというのが本心なのだろうと思えます。 VUCAな状況が今後も大きく変化し続ける中で、将来に対する「意志」がなけ