新型コロナ第3波で中小企業がやっておいた方がいいこと3つ

 新型コロナの感染が11月になって、急に広まりだした。第三波目前という様相だ。まだ第三波と確定したわけではないが、このウィルスが2019年末の武漢で発生した頃に比べれば、随分さまざまなことがわかってきたという。

だけど市井に生きる者としてできることは、何も変わりはない。マスク、三密回避、ソーシャルディスタンス、手指消毒などがせいぜいで、これを職場・家庭内で徹底することぐらいだ。

気が緩んでいると言った意見もあるが、そうではない。最初から目的を紐解くこともせず、ただ「こうしなさい】と言われていることをただやってきただけのことだ。いつものことなので、とやかく言うほどのことではない。どうせ言うのだったら、目的からしっかりと確認したほうがマシだ。

GO To Eatの予算も11月15日の時点で使い切り、経済的には若干停滞することになるのかもしれない。ここからが挑戦するところなのに、ニュースで流れてくるのは「もう駄目です」と嘆く店主の声ばかり。十分立て直しを図った店もあれば、そうではない店の声ばかりが聞こえて来るのは残念だ。

こういった飲食店舗にとっては、もう少しの間、経済活動を進めていきたいところだろうが、北海道が緩めとはいえ自粛制限に入ったことは、他府県に大きな影響を与えることにもなるだろう。

いずれにしろ、経済活動を活性化すれば、感染は拡大し、感染拡大を抑止すれば、経済活動はしやすくなるということ自体はなにも変わらない。果たしていつまで続くのか?しばらく繰り返しが続き、そのうちニューノーマルと言われる時代がやってくるということだろう。

では中小企業はどうか?全国的に感染者数の増加もさることながら、クラスターも発生しているので、改めてしっかり感染予防を徹底する必要はある。それで通常活動ができるかというと、そういうことでもないだろう。

できる部分はできる部分として続けていけば良い。そうでもないところをどう変えていくかを考える必要はあるだろう。ただ何を変えていくにしても、短期的な視野ではきついものがある。

この段階で必要なものは、ワクチンができた後、回復期を見越したビジョンと何があっても会社を存続させるという経営陣としての意思が必要だ。

悲観的な話で申し訳ないが、コロナ禍は短期的なものではなく、長期的なものになりそうだ。武漢型新型コロナが発生したのは1999年12月。東京型といわれたものは5月。まだ1年も経っていない。気候により変異していると言われているコロナウィルスに対抗できる術を人類が持ち合わせるまで、まだまだ時間がかかりそうだ。そうするとビジネスを取り巻く環境の変化はますます激しいものになり、まさしくスーパーVUCAな状況になると直感的であっても間違いはないだろう。

本当に第三波ともいうものが来て、企業活動の縮小や一時停止が余儀なくされた場合、何をすれば良いか?もっとも恐ろしいのは、危機的状況において「何もしない」という選択をすることだ。真価が問われているのに、何もしないのだとしたら、会社は先々しんどくなることが確定したようなものだ。

やれることはたくさんあるが大きく3つだけ提案しておきたい。コロナ禍において、人材育成にチカラを入れること、デジタル・オンライン化の推進すること、これらを含めて企業としての価値を高めることだ。

決して元の状態に戻るわけではない。元の状態でやっていける事業であったとしても、それを良しとするのは顧客側であって、NOとされれば、市場から退場させられるだけだ。



➽➽人材育成に集中度を上げる

緊急事態宣言以降において、集合型研修は困難になり、在宅からのウェビナーや、ビデオ会議ツールを使った研修は取組みやすくなった。これには電車移動がなくなるといった時間的余裕と精神的苦痛からの開放が功を奏した。

このマーケットは一気に花開き百花繚乱状態になった。アナログでやっていたものをそのままオンライン化した録画物セミナーや、ビデオ会議ツールを使っていても一方通行のものが多く目立ち、この中から自社にあったプログラムを見つけるのは至難の技でもあった。

そこで重要なのは、後でふれるオンライン・デジタル化にも通じることだが、社内の研修やOJTも含めて、ビデオ会議ツールを使って双方向で進めていくことだ。

社外講師とのセッションでも、少人数で双方向のコミュニケーションが取れる状態でやれればそれが望ましい。少なくても弊社ではそうしており、リアルのセッションとなんら変わらない状況を再現している。違いは「顔」だけが見えていて、その周囲が見えないことぐらいだ。

ここに問題があるとすれば、経営陣が人材育成にチカラを入れることを第三波中にするかどうかということだ。ちょうど評価の時期でもある。評価の目的は以前書いたが、今一度確認してもらいたい。

➽➽デジタル・オンライン化の推進にチカラを入れる

とかく中小企業の昭和の経営陣は、デジタルに弱い。経営陣だけではなく、幹部クラスでも圧倒的に弱い人が多い。しかしよくよく見ていると、弱いのではなく、単におっかなびっくりなだけであって、電気自動車には乗っているし、スマホやタブレットも使っている。使いこなせているかどうかは別にして「デジタルが苦手」というのは単なる思い込みに過ぎない。使っていないからわからず、わからないから手をつけず、手をつけないから苦手なのだ。このパターンは子供がやる苦手なものに対する行動パターンと同じだ。

2020年はデリバリーへの移行や導入をせざるを得なかった食品メーカー、飲食店関係は山のようにある。デリバリーが無理でもテイクアウトを導入した。それもこれも新型コロナ感染防止のための接触回避や飛沫感染防止に他ならない。

こういった移行をしたところは、小さい個人商店はなんとかやっと維持できている程度かもしれないが、確実に固定客を増やしつつある。こういったデリバリーにしろ、テイクアウトにしろ、基本はオンライン予約によるものが圧倒的だ。おまけにクーポンがついてくるものが多くなった。ただ政府が主導していたGoToEatは予算が上限に達した。ここから本当にデジタルでのサービスの差がつきだすのだろう。利益率は少なくなるかもしれないが、オンラインサービスをうまく利用することで、中小企業も更に生き延びる手立てはみつかるはずだ。SNSやWebを使ったマーケティングを考えるにも、自身で発信してみてどのようなレスポンスが起きるのかを体験しておくのもひとつだろう。

更に社員に、デジタル・オンラインに慣れてもらう必要がある。例えば多くの企業でパソコンは一人一台環境はあるのだが、使い方がおかしい企業は多々ある。

例えば、エクセルで文字情報やイラストを駆使した企画書や文書を作成している。あるいはエクセルを使い倒していると思っていたら、関数もあまりしらず、当然マクロも知らず、コピペを繰り返して、新たな文書をつくるというワープロレベルでしかない使い方をしている人達もいる。

ITリテラシー的な問題もあるだろう。メール件名の付け方やレスポンスタイミングなどはその真骨頂ともいえる平成初期の問題だ。これらも苦手意識からなんだかんだと理由をつけて回避してきたに過ぎないことにいい加減気づいて自身に修正をかけてもらいたい。

➽➽企業価値を少しでも高める努力をする

大きな経済活動と大きな感染拡大予防が波のように繰り返すのでは、長期的なビジョンを考えていくのは難しいと思われるがそうではない。むしろチャンスだ。不安定な時、ビジョンを有することは、資金調達面でもプラスに働く。経営者の強い意思をみせるほどに金融機関は融資に応じる可能性は高い。いまやスーパーVUCAな状況で、用意している判断基準に照らし合わせているだけでは、将来性が見込めないということだろう。実際私の知り合いでも無担保で銀行から高額融資を受けている。金利も極めて低い。その資金で、上記の2つに取り組んでいくことも考えられるし、他にも投資しなくてはならないこともあるだろう。

第三波が本格化し、事業活動の一時停止や縮小が余儀なくされた場合は、上記の他にもやれることは多々ある。

仕事の効率化やずっとやっている企画の効果性などを見直し再考してみるのもひとつ。これらの分析予測の精度を上げていくことも一つ。じっくりと考える時間的余裕がなかったものに取り組み、新たなアイデアや、現場からのアイデアを試すことだ。こういったものトライがやがて自社の将来につながっていく。

くれぐれも将来の成長につながらない在り方=何もしないで「なんとかなるだろう」と高を括るようなことだけはしてもらいたくはない。


このブログの人気の投稿

何からでも学び取る人と学ばない人の違い

現在ツイッターに注力しています

リアルとオンラインコミュニケーションの決定的な違いと対処