2020年2月29日土曜日

強く、行く

来期(2020年度4月より)に向けて、いくつかのクライアントに共通する人材・組織開発に関するテーマ。参考になればと思う。
昨年末から1月初旬に考えていたものだが、急遽、新型コロナウィルスの影響での事業活動の縮小傾向に歯止めをかける意味もこめたものにした。

人材・組織開発方針=Fortis et Vadis 

意味は「強く、行く」。ラテン語。文法的に正しいかどうかはわからない。
人材・組織開発のテーマをいくつかの要素の頭文字を並べていった時に、「VADIS=行く」となることがわかった。
これに最近の不安と事業活動の縮小傾向に対して、「強く=Fortis」と付け加えた。

「行く=Vadis」に込めた意味

これは新型ウィルス発生のニュースが入ってくる前に打ち出していたこと。
その意味会いは以下の通り

●明確な理念とビジョン(Vison)

自社が立ち続ける位置としての理念を確認し、どこに向かうのかの将来展望までもが不明瞭では困る。
理念とビジョンが明確であれば、事業や施策の優先順位、経営方針の見直しといった柔軟な対応が可能になる。
経営陣・幹部がブレずにいれば社員も各自の目標を持ちやすくなる。
対策一つとっても、消極的選択よりも積極的選択を。

●情勢把握(Antena)

世界情勢という自社事業に直結イメージが湧きにくくても、何が起きているかをアンテナを張っておく。(※新型コロナの感染拡大スピードはそれを痛感させられている)
情報やデータを自分なりに解釈し、知見を持った人と議論することで新たな発見・発想が生まれる。
また新技術や経営手法も自ら学ぶようにする。
レガシーなものでも通用するもの・しないものを見極める。

●対話と多様性(Dialogue、Dybercity)

数年前から多様性が求められている。
特に近年は性差や価値観が合わないことを理由に避けることは、もうできない。
そもそも対話のない所には壁と断絶しか生まれない。
多様な価値観があってもそれらを統制し、活かしていく対話をしていく。

●自身が磨く知性(Inteligence)

①状況判断
今、何が起きているのか?状況を打破していくには、何を起こす必要があるかの判断ができること。
人間関係においても周囲の変化を把握し、対処する。無用なトラブルを未然に防ぐ。

②柔軟性
外部環境の変化に対し、どのように対応していくかを考え、実践する。
自らの仕事や生活をどのように対応させていくか?自身のこだわりをどう折り合いをつけていけるか?
こちらも人間関係においても必要な要素。

③創造性
既存の知識や技術を組み合わせ、新たなエッセンスを見つけることができれば可能となる。
直感的に生まれる妄想レベルのものでしかないが、これを具体化できる知識・技術を認識・習得していく。また必要なリソースも同時に明らかにしていく。
妄想は具体化すれば実現可能である。

④興味・関心
遠くで起きている情勢、一見関係なさそうな情報に対して敏感かどうかということ。
何気ない日常の中にヒントは数多く落ちている。これに気づけるかどうか。
自らの視点を持つようにする。

●スピーディな行動(Speedy Action)

VUCAな時代だからこそ、スピーディに動くことを社員に要求する。
動けば何かが見えてくる。そこから複雑・曖昧なものを分解し、活路を見出す。
そのためにも経営陣・幹部は情勢や情報に対して素早く反応・検討し、スピーディな意思決定をし、素早く社内に伝達していくこと。

「強く」に込めた意味。

感染速度が速いのは、人がつくってきた文明が発展してきたことと比例する。
これに対して政府の判断が遅いのかどうか、その内容が良いのかどうかの判断をする共通の基準は、誰も持ち合わせていないはず。
批判することは誰もができるが、だからといって、真っ向からその判断に背く活動をするものではないし、誰もそんなことはしないだろう。
政府の味方をするつもりはないが、その方針を尊重し、これから出てくるかも知れない指示命令に注意を払っていくことを最大限にしていくことぐらいだろう。

lighthouse








●病院は防波堤、企業は灯台

感染拡大に対して、いくつかの病院は「最後の防波堤」という自覚はあると聞く。
ならば企業は、「従業員、顧客、事業を守る」という意味で「灯台」であってほしい。
企業として、「従業員を守り、顧客を守り、更に事業を守る」
そうすることで、社員や顧客の不安は軽減できるだろう。
企業として、拡大路線に走れない現状では、積極的に「守り切ること」に専念することも必要だ。
特に損益とキャッシュ・フローはしっかりお願いしたい。
だからこそ「強く」とした。



#visiondriven







2020年2月11日火曜日

協力意識の自覚

このところの新型コロナウィルスに関する連日のニュース。
やれマスク不足、やれアルコール消毒液不足と騒動になっている。
「備えあれば患いなし」というのは確かなことだが、報道される内容の事実部分は事実として、それは氷山の一角。
この「氷山の下層」をどう捉えているかで、解釈の仕方も変わるだろう。
最近の騒ぎについてコミュニケーションの観点から考えた。

コミュニケーションの観点から考える

垂れ流される情報を聞き分ける

多くのコメンテータの意見は、氷山の下層を想像し、これに事実を組合せて、仮説を述べ、ああした方がいい、こうした方がいい、と発言しているが、これらの多くは「憶測」レベルからの対策。

感染症の専門家は、さすがに、「これは憶測ですが・・・」と前置きをしているが、受け取る側は専門家が言っていることなので、「事実の意見」として受け取る。
そしてこの「事実の意見」は憶測なのに、さらにコメンテータが憶測を被せる。
もはや「考察」ではなく、「恐察」っぽい「脅し」になっている。

仮説というものは、あくまで事実と事実の組合せから導き出されるもの。
そこに憶測が入る余地はない。

これらのコメンテータをとやかく言うつもりはない。
せめて、何を話しているのか?事実か?仮説か?憶測か?当てずっぽうか?の聞き分けられる耳を持ちたいものだと常に思う(私自身も含めて)。

日常レベルでできること

新型コロナウィルスに対して、日常レベルでできることに何があるのか?
・手洗い・うがい・マスク着用・アルコール消毒
あとは、これらを互いに「協力する」ことぐらいだろう。

マスクを多く持っている人は「持ってない人に提供せよ」ということではない。
また「協力しましょう」というものでもない。
ただ自身のなかに協力する意識があるかないかだけは自覚しておくということ。
いざという時に、その人の本質が露わになるということだ。
協力意識の自覚
というような話をクライアントに伝えてきた日の帰り、電車の中で、ちょっとした騒ぎに出くわした。

電車中の出来事

<以下事実のみ>
①京浜東北線でおっさんがくしゃみを連発していた
②若いマスクをしたにいちゃんが「マスクぐらいしろよ!」と怒鳴った。
③しばし口論となった。
④次の駅に着いた
⑤おっさんは降りた。
⑥新たな乗客が乗ってきた
⑦若いにいちゃんの周りで小さな拍手が起きた

<以下、思ったこと>
①マスクしてなかったオッサンが悪いのか?(疑問)
➽ハンカチを持ってなかったのか?(仮説)
➽たまたまマスクを忘れたのか?(仮説)・・・云々
  
②にいちゃんに関しては、言い方を考えなかったのか?(疑問)
➽満員電車で苛ついていたのか?(仮説)
➽それとは関係ないことでいらついていたのか?(仮説)
 
③おっさんが降りた駅は、下車予定の駅だったんだろうか?(疑問)
➽車内が「そのにいちゃんの言う通りだ」という雰囲気になったので、おっさん自身、いたたまれなくなったのか?(仮説、若干憶測)
➽なので「そそくさ」と降りたのか?(憶測)

同調圧力と協力意識   

以上のように疑問に思えたことのみから考えた結果、
あの小さな拍手は、「同調圧力」の一つだろうと思えてきた。
「皆がそうしているから」という圧力。
もちろんそこには、無言の「同調圧力」もあっただろう。
それで、おっさんは「自らを排除」することにしたのか?
自ら排除とうのは、憶測。
もしそうなら、それはそれで気の毒だし、恐ろしさを感じた。
   
マスクをしていなかったおっさんが悪いというのは簡単だ。
もちろんこれを見ながら、何もせず傍観者を決め込んでいた私も、同調圧力の加担者かも知れない。

新型コロナウィルスに限らず、この季節はインフルエンザにも注意したい時期。
もしおっさんに「伝染さない」「伝染されない」という協力意識の自覚があれば、マスクをしていたのではなかったか?
もしにいちゃんに協力意識の自覚があれば、怒鳴りつける以外の言い方があっただろうと思う。

協力意識というのは、社会生活上のマナーの源泉に通じるものでもあると思える。
また職場や仕事においても、同じだ。
自分が同調圧力をかける側になっていないか?
協力意識はあるのかないのか?
その自覚により状況に変化は生まれると考える。

それで、さらに、2011年に書いた投稿を思い出した。
「正論で協力は得られない」
やはり協力は引き出すものだと思う。

#visiondriven #協力意識 #同調圧力 #コロナウィルス

そして、日本におけるSNSにのパイオニアといえる存在の熊坂仁美さんが、更に具体的に書いていらしゃいます。


ちなみに、友人の危機管理コンサルタント:秋月雅史氏が「適度に怖がる」をコンセプトに「感染症対策のコラム」の連載を始めた。一読をお勧めしておきます。

2020年2月4日火曜日

インテリジェンス不足への危機感

経営幹部には、インテリジェンスが求められている。
先週、全く違う業種のクライアント社長お二人から、ほぼ同時に、ほぼ同じような相談を受けた。
片や「インテリジェンスある人材を育成したい」
片や「最近、弊社のインテリジェンスのなさを痛感している。」というものだった。
お二人とも、昨今の「想定外のことが起きている」日々のなかで、その影響・変化に対応できずにいる社内の空気に苛立ちを覚えているのが手に取るようにわかった。

インテリジェンスとは何か?

インテリジェンスは「知性」ではあるが、ざっと検索してみると、その要素として多く出てくるのが、以下のもの。知の巨人:田坂広志教授の2015年7月のグロービスでの講演。
 (前文省略)本当にこの社会を良きものに変えたいという志・使命感を持って歩むなら、我々は今から申し上げる7つの知性をしっかり身に付けるべきだと私は考えている。それは、「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」、そして「人間力」の7つ。これらはすべて知性だ。(以下省略)https://globis.jp/article/2709 (全文)
上記の引用記事を読むと、田坂教授が情熱を持って話されている様子がよくわかる。

なるほど。その通りだと思う。
敢えていうなら、この講演録から感じる「情熱」も知性のうちだろう。

組織においては、ほんの一握りの人だけがこれらの要素を持つことが必要なものだと思われるかも知れないが、実はそうではない。
およそリーダー的な存在である人は誰でもこれらの知性は必要とされるだろう。

そこでクライアントに今、求められるインテリジェンスは一体なんであるかを考えることにした。

仕事の本質から考えてみる

①顧客をつくり続けること
これはいつも新規客を開拓することに留まらず、顧客の維持と拡大のこと。
マーケティングで市場を発見あるいは創出・誘導し、営業系は既存客のリピート促進し、新規客の獲得をすること。

②変革をし続けること
これは業務プロセスを形骸化させず、常に変化させ、更にはイノベーションを起こしていくこと。昔のやり方は通じないとはいうものの、その一部を変更することで、変化に対応できる可能性は高くなる。改善と変革はちがうというものの、変化に対応していくことで事業継続性は高まる。

この2つを実現するには、どうなりたいか、何を成し遂げたいかのビジョンや何のためにやるのかという志(理念)、それを実現するための戦略、戦術、技術、これらを紡ぐ人間力。やはりどれも不可欠だと思える。

じっくり取り組める環境や体力がある企業が本気で取り組めば、これらの要素は高まるだろう。
そして多くの中小企業には、そんな余裕はほぼほぼないのが実情。
その上、目まぐるしい変化の連鎖状態は悩ましい。
変化が激しく、素早く対応しなければ、「ボーッとしてるんじゃねぇよ」とチコちゃんに叱られる。

やはり情報や知識はインテリジェンスの源泉となるだろう。
田坂教授の言う「思想」も自身の世界観・価値観から来る経験と知識、他者の知見を繋いで言語化していかなければ、生まれることはないだろう。あるいは、知識として知らなければ、応用もできないことになる。
inteligence

求められているインテリジェンス

勉強ができることに越したことはない。
言葉の意味がわかなければ情報ひとつひとつの重要性もわからないし、見逃してしまう。
そしてその情報には、さまざまな分野の情報が含まれている。無視はできない。

「仕事の本質」から考えるに、これらの情報をスピーディに自分たちのビジネスに取り入れ、自ら変化させられるかどうかの知性は必要だろう。
もっというと、取り入れて紡いでいき新たなものや新たな取組を創り出せるかどうかという知性も必要になる。しかもスピーディに。

整理すると、以下の5つになる
この5つがインテリジェンスとして定義できるかどうか?
私にとっては、そのこと自体は今はどうでもよい。
ただ少なくともクライアントには、この5つを求められているのだと思える。

①状況判断力
今、何が起きているのか?このまま行けばどうなるものか?この状況を打破していくには、何を起こす必要があるかの判断ができること。これには数字データの遷移から、その数字が持つ意味を解釈するチカラも含まれる。これはビジネスそのものについてもそうだし、人間関係においても周囲の変化を把握すること求められる。

②柔軟性
さまざまな外部環境の変化に対し、自らをどのように対応させていくか?時には「こだわり」が邪魔をすることがある。このこだわりを自社や自身のなかでどう折り合いをつけていけるかだろう。こちらも人間関係においても必要な要素。

③スピード性
状況判断も、柔軟性もスピーディでなければ、周回遅れになる。つねに競争にさらされている市場において、周回遅れはやがて致命傷となる。そうなる前にスピーディに対応していくことで、退場を命ぜられることはなくなっていくだろう。

④創造性
先程書いた「情報を取り入れ、紡いで、新たなものや新たな取組を創り出していく」というのは、既存の知識や技術を組み合わせ、新たなエッセンスを見つけることができれば可能となる。そしてこれは直感的に生まれる妄想レベルのものでしかない。これを具体的なものにしていくというのも、知っていることの範囲から生まれてくる。知らないことから生まれることは、それこそ「降りてきた」ということになる。「降りてくる」現象は否定しないが、極めて稀有だ。

⑤興味・関心
状況判断できるだけの十分な情報があるとしよう。そして興味がなければ、その情報は見逃してしまうし、埋もれていく。他人の知識、既存の技術も取り入れられることはない。
さすがに自身や自社が携わるビジネスに直接関係あることに興味がない人はいないだろう。ここでいう興味の範囲は、遠くで起きている情勢、一見関係なさそうな情報に対して敏感かどうかということだし、何気ない日常の中にヒントは落ちている多々あるだろう。

自ら取りにいく姿勢を持つこと

興味・関心がなければ、情報は素通りしていく。狭い範囲での判断しかできなくなる。
それこそ、KKD(経験・勘・度胸)での判断のみになる。
これでは創造性もなにもないだろう。適切なマネジメントも不可能となる。
オペレーションすることだけになる。そしてオペレーションもどんどん形骸化する。
こうならないためにも、興味のあるものは、情報や知識という源泉へ、自ら取りに行くことが基本姿勢となる。そして興味・関心の幅を少しづつでも広めていけばいいだろう。

社内には他者の知識・技術、古参社員には専門性の高い知見もある。
テレビやインターネットな情報ソースは、たくさんある。
見渡せば、そこら中に源泉はあるのだ。

自身のインテリジェンスを開花させていくには、誰かが教えてくれるまで、クチを空けて待っているのか、自ら取りに行くのかの違いだけなのかも知れない。

とここまで書いて、いくつか自分に刺さってしまった・・・(苦笑)

#VisionDriven




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