強く、行く

来期(2020年度4月より)に向けて、いくつかのクライアントに共通する人材・組織開発に関するテーマ。参考になればと思う。
昨年末から1月初旬に考えていたものだが、急遽、新型コロナウィルスの影響での事業活動の縮小傾向に歯止めをかける意味もこめたものにした。

人材・組織開発方針=Fortis et Vadis 

意味は「強く、行く」。ラテン語。文法的に正しいかどうかはわからない。
人材・組織開発のテーマをいくつかの要素の頭文字を並べていった時に、「VADIS=行く」となることがわかった。
これに最近の不安と事業活動の縮小傾向に対して、「強く=Fortis」と付け加えた。

「行く=Vadis」に込めた意味

これは新型ウィルス発生のニュースが入ってくる前に打ち出していたこと。
その意味会いは以下の通り

●明確な理念とビジョン(Vison)

自社が立ち続ける位置としての理念を確認し、どこに向かうのかの将来展望までもが不明瞭では困る。
理念とビジョンが明確であれば、事業や施策の優先順位、経営方針の見直しといった柔軟な対応が可能になる。
経営陣・幹部がブレずにいれば社員も各自の目標を持ちやすくなる。
対策一つとっても、消極的選択よりも積極的選択を。

●情勢把握(Antena)

世界情勢という自社事業に直結イメージが湧きにくくても、何が起きているかをアンテナを張っておく。(※新型コロナの感染拡大スピードはそれを痛感させられている)
情報やデータを自分なりに解釈し、知見を持った人と議論することで新たな発見・発想が生まれる。
また新技術や経営手法も自ら学ぶようにする。
レガシーなものでも通用するもの・しないものを見極める。

●対話と多様性(Dialogue、Dybercity)

数年前から多様性が求められている。
特に近年は性差や価値観が合わないことを理由に避けることは、もうできない。
そもそも対話のない所には壁と断絶しか生まれない。
多様な価値観があってもそれらを統制し、活かしていく対話をしていく。

●自身が磨く知性(Inteligence)

①状況判断
今、何が起きているのか?状況を打破していくには、何を起こす必要があるかの判断ができること。
人間関係においても周囲の変化を把握し、対処する。無用なトラブルを未然に防ぐ。

②柔軟性
外部環境の変化に対し、どのように対応していくかを考え、実践する。
自らの仕事や生活をどのように対応させていくか?自身のこだわりをどう折り合いをつけていけるか?
こちらも人間関係においても必要な要素。

③創造性
既存の知識や技術を組み合わせ、新たなエッセンスを見つけることができれば可能となる。
直感的に生まれる妄想レベルのものでしかないが、これを具体化できる知識・技術を認識・習得していく。また必要なリソースも同時に明らかにしていく。
妄想は具体化すれば実現可能である。

④興味・関心
遠くで起きている情勢、一見関係なさそうな情報に対して敏感かどうかということ。
何気ない日常の中にヒントは数多く落ちている。これに気づけるかどうか。
自らの視点を持つようにする。

●スピーディな行動(Speedy Action)

VUCAな時代だからこそ、スピーディに動くことを社員に要求する。
動けば何かが見えてくる。そこから複雑・曖昧なものを分解し、活路を見出す。
そのためにも経営陣・幹部は情勢や情報に対して素早く反応・検討し、スピーディな意思決定をし、素早く社内に伝達していくこと。

「強く」に込めた意味。

感染速度が速いのは、人がつくってきた文明が発展してきたことと比例する。
これに対して政府の判断が遅いのかどうか、その内容が良いのかどうかの判断をする共通の基準は、誰も持ち合わせていないはず。
批判することは誰もができるが、だからといって、真っ向からその判断に背く活動をするものではないし、誰もそんなことはしないだろう。
政府の味方をするつもりはないが、その方針を尊重し、これから出てくるかも知れない指示命令に注意を払っていくことを最大限にしていくことぐらいだろう。

lighthouse








●病院は防波堤、企業は灯台

感染拡大に対して、いくつかの病院は「最後の防波堤」という自覚はあると聞く。
ならば企業は、「従業員、顧客、事業を守る」という意味で「灯台」であってほしい。
企業として、「従業員を守り、顧客を守り、更に事業を守る」
そうすることで、社員や顧客の不安は軽減できるだろう。
企業として、拡大路線に走れない現状では、積極的に「守り切ること」に専念することも必要だ。
特に損益とキャッシュ・フローはしっかりお願いしたい。
だからこそ「強く」とした。



#visiondriven







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