笑顔に向けて最善を尽くす

決められたことを決められただけやっていて本当に安心していられるのか?
そんな人はどこにもいないだろう。
しかしそれだけに留まっている人は確かにいる。
ましてやそれさえも守れない人もいる。守れないのは論外として・・・

決められたことをちゃんとやることが「どこから来ているのか?」という疑問がずっと私の頭の中にあった。
その答えは、やはり「理念・ビジョン」に基づいているものだ。
  
翻ってみると「理念・ビジョン」が定着している会社ほど、現場は強い。
反面、内勤系の管理監督層でも外部とのコンタクトが少ない人は、その意識が薄まってくる傾向はどこの企業にもある。

現在の新型コロナウィルスでの対応でも、その傾向は如実に現れている。
特に内勤系で外部とのコンタクトが少ない管理監督層だ。
今回ばかりは、クライアントの管理監督層やリーダーに向けて、はっきり言っておくことにする。

「目を覚ましてください!」

とはいっても、全員ではない。
ここまで読んで、私のクライアントの方で、「私のことかも」「おっさんが怒り出したよ」と思った人向けだ。

「本質」×「環境】を忘れないこと

私はクライアントの管理監督層やリーダーに対して、本当に大切なことは以下の2つであると伝えてきた。
それ以外は全て手段や方法だと伝えている。

仕事の本質

【顧客を創りだすこと】
 これにはもちろん顧客の維持も含まれる
【改革を続けること】
 これにはもちろん改善も含まれる
 この2つを続けていければ、必ず質も量も向上し、つまりは生産性は向上する。

チカラを発揮できる環境づくり

事業系は目標計画ラインの上を目指して、常に引き上げるチカラを発揮できる環境を整え続ける。
管理総務系はその目標計画ラインを押し上げるチカラを発揮できる環境を創り続ける。
チカラは個人ごとのチカラだけに留まらず、チームとして、組織として、企業としてのチカラに通じるものだ。

前提あるいは3つ目の要素

企業の理念もビジョンもこの「本質」×「環境」で成り立っている。
しかし、それには、前提というものがある。
あるいは3つ目といっても良いかもしれない。
「最善を尽くす」
これがなければ上記の仕事の本質は何も向上しないし、個人としての成長もないだろう。
なんのために管理監督層として、リーダーとして「最善を尽くすのか?」
この写真の通り、社員も顧客もみんなが元気な笑顔になることだ。

笑顔に向けて最善を尽くす



現在、凶暴化していく新型コロナウィルスの猛威に対して、どのクライアントも会社としての方針をだしている。いわゆるBCP。
各クライアントでは、各拠点や支店の感染拡大状況によって、BCPレベルをレベル1から2、3と順次発動している。
それでも安心はできない状況は続いている。
BCPレベルが上がれば上がるほど、事業の活動範囲は狭くなっていくし、現在はそれが収まる方向には動いていない。

それでも問題が発生する

さて、ここで問題が生じてくる。
一度発動されたBCPレベルに即した行動を遵守することはもちろんだ。
問題は次のレベルに至るまでの時間における行動だ。
発動レベルの行動遵守だけでは追いつかない場合もあり得るということだ。
ここに考えが及ぶか及ばないかの違いで、後手を踏むことになる。
特に現場は状況が刻々と変わり続けている。瞬時の判断が必要になる場合が多発する。
その結果として現場が硬直してしまい、ひいては事業そのものも硬直する。

●BCP自体は完全ではない

当たり前だ。
事前に想定したものであって、経験値に基づいたものである。
その経験値でさえも、全てを網羅した上で、構築されたものではない。
あるいは全てを網羅した上で、取捨選択されたものである。
ましてや東日本大震災の時に作成・訓練をしてきたものの、感染症対策までつくっていない企業もあるだろう。それで急遽つくった企業もあるだろう。
ヌケ漏れがあるのは当然だ。
それをとやかく言う権利は誰にもない。
あったとしても、そんなことは事態が収束してからで良い。
ましてや新型コロナウィルスは、インフルエンザの延長線上とされてはいるが、未知のウィルス。加えて、当初考えられたものとは違ったものに変異し、凶暴化してきている。
※最初は若年層は感染しないとされていた。

では、企業として、何を優先して対処していけば良いか?

現場を最優先で考える

テレワークに切り替えていようが、三密を実行していようが、現場は常に動いている。
それを内勤が多い管理監督層が、リーダーが「決められたことはちゃんとやっている」レベルで留まっていては、困るのだ。
誰が困るかは、いわずもがな。現場だ。
現場が困るようなことは一切すべきではない。
むしろ現場が助かることは何かを考え、伝え、動けるようにして、なんぼである。
それはテレワークであっても同じことだ。
現場を守ること・従業員を守ることが顧客を守ることにもつながる。
もちろん直接的に繋がらない部分もある。
それは現場・従業員の次に考える。

クライアントから聞いた事例

●過剰在庫で返品されてきた商品の対処
返品されてきた商品を確認したところ、賞味期限がまだ10日間ほど残っていた。
この返ってきたものをどうするか?
現場・従業員を守るという観点では、これ以上担当者を他の所へ出向かせられないと担当部長は判断した。
そこで賞味期限がギリギリであることを明示した上で、出入りできなくなった所や買物困難地域・施設に送った。もちろん無償。
すぐさま、感謝状が届き、現場社員の出入りの許可が出たが、それを見送ることにした。
しかし取引をしましょうという新たな契約や再契約をしたい旨の申し入れが続いた。
通常であれば、廃棄してもおかしくない状況だったのかもしれないが、それは単なる決まりごとに過ぎないのだということを教えてくれる事例である。
現場社員を守り、次に顧客を守り、事業を守ったという事例といえる。

●手づくりマスクで価値を生み出した
こんな事例もあった。
世間でマスクが不足しているということで、個人的に顧客向けにせっせと夜なべして100枚つくり、マスクのない顧客にコンタクトした営業担当者がいる。
彼女は少しでも安心・安全に役立てればと思って作ったのだという。
その結果として、高額商品を「あなたから買うことにした」と連絡が続いた。
一切の値引きなし、値切りなし。
ちなみにマスクと彼女の扱う商品は全くなんの関連もない。
彼女がやったことは、マスクを入手できない顧客の不安を取り除いただけだ。
しかし、そのことによって彼女のサービスに価値が生まれた。
決して商売を意図してやったわけではない。結果としてそうなったのだ。
現場はそうやって、自分が担当する顧客のことを常に思い、考え、動いている。
これも顧客を守り、事業を守った事例に違いない。
「最善を尽くしているか?」
これらの事例のように、内勤の管理監督層は、現場のことを思って、自分に問いかけてみたらどうか。

自分への問いかけ

自分に問いかける順番はシンプルだ。
0.現場の現在の状況を常に知る。
 連絡を待っているだけに留まらず、気になるところへは自ら連絡を入れる
1.BCPレベルで決まっていることで済むかどうか判断する
 決まっている範囲で済むのなら、その範疇で対処していけばいい。
2.済まない場合、何をどうする必要があるかを考える
 ①現場を守るには何をどうするか?今、何が最善か?➽書き出す
 ②顧客を守るには何をどうするか?今、何が最善か?➽書き出す
 そうしていけば結果として事業を守ることに繋がる。
3.自分の権限で手を打てない場合、上記0~2①②を上司に打診する
いつものように上司に頼った「どうしましょう」ではなく「こうしたらどうか?」と提案ベースの相談をする
※BCPを発動している場合は、その連絡経路で相談。

いずれにしても重要なことは、自分のこととして捉えて判断することだ。

現在は、どこもかしこも誰もが苦しい。あるいはなりつつある。
「自分に何ができるか?」を再度、見直してみよう。

Do the Best 最善を尽くし、みんなで心から笑える日を迎えよう。




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