2020年6月20日土曜日

理念に立ち戻り、第2波に備える

2020年最初の投稿記事で、「VUCAな状況が続き、3年先も見えず、今の経営者は心中穏やかではない」という話を書いた。
これに新型コロナウィルス感染拡大が拍車をかけ、わずか数週間の間に誰も経験したことがない危機に直面した。従来の経済活動や一人ひとりの行動のほとんどに自粛や実質的な一時停止を求められた。
6月19日、県境移動、自粛要請がほぼ全国的に解除され、街に人の姿が戻り始めている。

コロナショックが始まってこれまで、企業トップや各層のリーダー達は、過去に例のない状況での事業活動を余儀なくされ、新型コロナによる不確実で不安の連続の日々を乗り切るための迅速な判断が求められた。しかしまだ終わったわけではないことも事実。悩ましいところだ。

コロナショックからの約5ヶ月、企業のリーダー達は何を基準に判斷をしたのか、そして「新たな日常」における企業の在り方や第2波に備えながらの経済活動は、何を基準に判断していくことになるのかをまとめた。

➽➽リーダーの姿があぶり出された

今年2020年の1月後半からの約5ヶ月は、毎日のように、新たな決断が求められ、かつてない程のスピードが要求された。
業種によっては廃業に追い込まれた会社も多々ある。
今後、第2波、第3波に備えつつも、事業体制あるいはビジネスモデルさえも変えて行かざるを得ない状況下であることには違いない。
そういう意味では、経営トップのみならず、リーダー達の真価は問われることになる。

➽社員の立場から見た「あぶり出されたリーダーの姿」

阪神大震災の時も、東日本大震災の時もそうだったが、危機的状況に陥った時、経営トップや組織のリーダー層の素の姿があぶり出される

・必要な情報を集め、素早い判断と柔軟に適応策を次々と打出したリーダー
・最初は素早い判断をしたが、それで安心したリーダー
・部下からの意見を求め、判断・決断も委ねたリーダー。
・いつもと同じプロセス・手順にこだわったリーダー
・うろたえているばかりで、指示を待つだけのリーダー。
・手の打ちようがないと、諦めたリーダー。
などなど、様々なリーダーの「素の姿」があぶり出された。

こういったリーダーが、どんな判断をし、そのスピードがどれほどのものであったかというところは、社員の心の中に刻まれたことは間違いない。
きつい言い方だが「アテになるリーダーかそうでないか」ということだ。

これらのリーダーのうち、社員に安心感を与えたのは、上記の一番上、「必要な情報を集め、素早い判断と柔軟に適応策を次々と打出したリーダー」であることは間違いない。

しかし、これとて社員にしてみれば、文句のひとつぐらいは出ることもあっただろう。完璧な安全、完全な給与保証がなければ、絶対的安心というのは生まれないからだ。完璧で完全な保証というものは、どんな企業でも無理な話だ。
ほとんどの企業は、安全・安心と事業継続のバランスを推し量らねばならなかったというのが実情だろう。だからこそ慎重にならざるを得なかっただろうし、判断が遅くなったことも否めないのだ。

では、素早く柔軟な適応策を打出したリーダーは何を基に判断をしていたのか?
クライアントとオンライン会議を重ねている中で、チラホラと聞こえて来たことがある。

➽➽判断の軸を理念に置いたリーダー

まず勘違いしないでもらいたいのは、素早い判断と柔軟に適応策を次々と打出したリーダーが、精神的に強いとは限らないということだ。
私が知る限り、むしろ臆病で心配性の塊のような人達だ。
楽観的な側面はあるが、モノゴトを見る時は楽観視することはない。
慎重派であることはまちがいなく、彼等が真っ先に考えたのは「社員の命を守ること」だった。そして決めたことを実行に移すのが早かった。
これは阪神大震災や東日本大震災の時にも、素早く考動したリーダー達の姿と共通する。

情報収集・判断・柔軟で実行も素早い。なのに慎重。

こういうリーダーの特徴には共通点が2つある。
①「何のために、誰のために、早くやらなければならないのか?」が明確。
②止まってじっくり考えることと走りながら考えることを区別している

上記①はモノゴトの目的を明確にする為の問いそのものだ。
企業における目的は、全て理念に定義されている。
彼等は判断軸を企業のあるべき姿として定義されている「理念」に置いていた。
社員を守ることが、顧客を守ることに通じ、事業を守ることになる。
更に社会を守ることにもつながる。といった考え方だ。

この考え方は、最近ではパーパスドリブン経営ともいうが、随分以前からある理念に基づいた経営手法となんら変わりはない。
パーパスドリブン経営は、端的にいうと「存在理由」「存在意義」というものだが、実際は存在理由も含めた経営姿勢であり、行動指針といった理念に基づいた経営手法だ。

何のために存在しているのか?そのためにはどのような経営をするか?そしてどのような行動をするのか?この問いへの回答は、全て理念に定義されている。

社員、顧客、事業、社会・・・いずれも「人」がいるからこそ成り立つ。
そうであるからこそ「人」を優先するのは当然だ。
更に、多少の経済的余裕を有していたり、余裕がなくてもできることは何か、コロナ収束後につながることは何かと考え、あるゆるステークホルダーにも気を配った企業もある。

弊社が関わる国内外のクライアントも、納入業者、取引先、地域の医療従事者などを支援した。また弊社のような人的サービスの契約をしているところまで配慮し、契約は続行、購入困難状態にあったモノを送っていただけたことは、ありがたかったし、改めて頭が下がる思いだ。

②の区別は、モノゴトに対する区別化だ。
ざっくりと言えば、問題と課題の区別。あるいは以前と以後の差異の見極めといってもいいだろう。自社で変えられるものと変えられないものは何かを区別していたということだ。この考え方は問題解決の考え方そのものだ。

ReturnToPurpose
















➽➽慎重なリーダーの迷い

そして徐々に要請という名の規制が緩和されはじめ、都市圏としては最も遅れていた東京都も、ほぼ全面的に解除となった。県境またぎ移動も可能となった。
あらゆる企業の経済復旧活動が始まっているが、上記のリーダーはまだまだ慎重でいて、楽観的な素振りをしていても楽観視は一切していない

慎重になっているその理由は以下の通りだろう。
●第1波は収束傾向にあるとされているが、まだ終わってはいない。
●第2波はすぐそこに来ているし、いつどこで感染クラスターが発生するか、本当のところはわからない。
●ワクチンが開発されても、それが行き渡り定着するまでは、1年半どころか3年程度はかかるかもしれない。
●緩和・解除されても、コロナ以前のような経済活動ができないことは理解しているが、その方法は模索中。
●補正予算を成立させ、支援をするといっている国や自治体の支援がどこまで期待できるかは不透明。もともと財源が赤字の国だからだ。
といったところがわかりやすいところだ。

加えて、金融系・損保系のアナリスト達は、これからしばらく、2008年の金融危機後の大不況と同じように状態になるとも分析している。特に米中の関係は日本に大きな影響をもたらす。しんどくなることは極まりない。
事業の売上拡大どころか、売上の維持が難しくなるのは目に見えている。

そうすると、リーダーとしては、以下のことにも慎重にならざるを得ない。
●配送・宅配・入替・陳列とデジタル化不可能な商品取扱の代替に伴うコスト
●顧客や取引先のオンライン商談、人材育成のオンライン化への切換えに伴う自社対応コスト
●急遽リモートワークに切換えた業務継続でに伴うコスト
●リモートワークを加速させるためのクラウド化に伴うコスト
●オフィスレイアウトの変更やこれに伴う改修コスト
●国や自治体からの支援策で借りたお金の返済
●デジタルマーケティング強化に伴うコスト
などなど、上げていけばキリがないが、どれも「社員の安全・安心」と「顧客の安心・安全」を中心にした考えからの発想に他ならない。

➽社員の安全優先か利益が優先か?そこではない。

ここでコストをカバーをしなければならないことに焦点が当たりすぎると「利益確保」「利益目標」というものが当然のことながら第一優先となる。
どれだけ素早い判断と慎重さを兼ね備えている企業トップやリーダーであってもも、この点=「社員の安心・安全優先か、利益優先か」で、大きく悩み・迷うことになる。

一方で、素早い判断・柔軟かつ慎重のリーダーの下で働く現場の社員はどうしているか?
彼等は、どうすれば仕事をより確実に続けられ、顧客との関係性を維持していけるかを模索し、工夫を重ねている。
そうすることが自身の仕事・業務であり、自身の生活を守ることに他ならないと知っているからだ。
これは現場社員が、常にセルフコンセプトや会社理念に判断軸を置いているという証左だ。

もう答えは明白だろう。

➽➽理念に立ち戻り、第2波に備える

常々私がクライアントに一貫して伝えていることだ。
「迷ったら理念に立ち戻る」
特に今は理念に基づく判斷・意思決定を続けていくことになる。
社員を守ることが、顧客を守ることにつながり、事業を守ることになる。
理念に立ち戻れば、何を優先していくかは明らかだ。

➽リーダー自身が自分に理念を問う
現在の状況下で、経営トップや幹部がリーダーシップを発揮するには、リーダー自らが問いを持つことだ。
まずリーダー自身が心身・思考共に最善の状態を保つこと
常に自分自身への「問い」を持つこと 
 例えば、「今、最速スピードで意思決定するには、自社に足りないことは何
 か?」「自社内で変えられるものでも、変えられないと思い込んでいるものは
 ないか?」といった具合だ。自身の中で浮かんだ疑問をそのままにしておくこ
 とは、お勧めしない。
そして最善を尽くすこと
・仕事仲間や周囲の人達を支援・助けるために何をするか・しているか?
・自身の成果と組織の成果をつくりだすために何をするか・しているか?

これをもっと簡潔に、はっきり言えば、
「今は儲けよりも、できるだけ稼ぐこと」
もちろん、社員を守ることが第一だ。
だからこそ、今は利益を目標とせず、動ける範囲で稼ぐことだ。

稼ぎが出れば、会社は回る。
稼ぐことを少しでも大きくする。
これには少なからずチャレンジを伴うことになる。
そうしていく中で、新たな利益も確保できていくだろう。
社員は不安の中でも、これも知っている。
実際、自分が何をすべきかを自ら発見した社員の士気は高まっている。
これを諌めるリーダーがいるとしたら、それは大きな間違いだ。

いずれ第2波が来て、また自粛要請が始まることは想像に難くない。
安全を確保しながらも、動けるうちに動ける範囲で、稼いでおく
そして、この誰もが危機感を抱いている現在、会社の体質を変えていく大きなチャンスでもあることを忘れないようにしておきたい。

東日本大震災時にビジョンと目標の取り扱い方について既に書いているので、そちらもを参照していただきたい


2020年6月6日土曜日

ウェビナーの成功要因は何か?リアルセミナーとの違いから導き出す

リモートワークやソーシャルディスタンスがずっと要求されている中で、製品や商品、サービスのウェビナーを実施するには、今ほど良い機会はないだろうし、今後増加する傾向していくだろう。
ウェビナーはオンライン会議と同じぐらい簡単に思えるかもしれない。コロナ禍による環境変化は脅威であるが、貴重なチャンスと捉え、ウェビナーをより成功に導くには何を考えていく必要があるのかをまとめた。

Webinar Success Factors

















➽➽よくあるウェビナー開催に関する疑問

多くの企業は、ウェビナーを開催するには、新たなコスト(時間とお金)を投資する必要があるのかと一度は疑問に思うようだ。
少なくとも開催場所を探す・借りる労力と費用はなくなる。
その代わり、ウェビナー開催のための機材・セッティングに労力と費用が必要となる。
ただし、リアルセミナーの場合は費用によって、一回あたりの人数も実施回数は限られるが、ウェビナーの場合は、人数制限を設ける必要はあるが、実施回数は担当者の時間的余裕に左右されるのみだ。

また、これまで実施してきた内容を単にオンライン化すれば、それで良いという考え方もある。それは否定しない。簡単であるし、コストも大してかからない。そのまま転用可能であれば、そうすることで、迅速に実施はできるだろう。

否定はしないが、疑問は2つ浮かぶ
・そのままオンライン化しても参加者にとって魅力的か?
・そのまま簡単にできるのであれば、もう既にやっていたはずなのに、なぜやらなかったのか?
この2つの疑問に明確な回答を自社内で得られれば、次に何をしていけばいいのかは、明らかになるはずだ。

今回は、1つ目の疑問に答えるきっかけになるかもしれない。
ウエビナーの目的や役割、顧客との関係性構築方法、数あるウェビナーの中で際立たせる方法など、ウェビナー内容を検討・準備していく参考にしてもらえればと思う。

2つ目の疑問は、単に知らなかったか、オンライン化する発想がなかったか、あるいは技術的にできないと思い込んでいたか、費用対効果が判定できない、顧客がオンラインに馴染んでいないのどれかだろう。
いずれにせよ「できない理由」「やらない理由」を並べていただけに過ぎないことだけは、この緊急事態宣言期間中に明らかになった。

➽➽ウェビナー開催の目的は何か?

ウェビナー開催の目的は、多くの人が、リアルセミナーと同じで、集客だと考えるだろう。これが先程のそのまま転用すればいいといった発想につながる。
集まった参加者の情報さえ取れればそれでOKというものだ。

しかしウェビナーの場合、それがオープン参加であればあるほど、参加者は「気に入らなければ、いつでも遠慮せずに退席・離脱できる」という前提がある。例え「途中退席はご遠慮ください」と注意をしていても、クリック1回で離脱は可能だ。
これはクローズなウェビナーでも起き得るし、リアルセミナーでも、数は少ないが、実際には起きている。
この点を注意しながらも、ウェビナーの目的と役割をもう一度考えてみよう。

➽ウエビナーの目的と役割

1.ウェビナーの目的は顧客との関係性を開発・維持すること
リアルセミナーの目的は単に集客することではないはずだ。
それはあくまでセミナーの入口にしかすぎず、活動プロセスの目標(KPI)だ。
セミナーの目指す帰結は、開催側が示す解決策への理解促進と見込客の獲得だ。
実際、セミナー終了後に名刺交換やアンケートといった顧客との関係性の開発・維持をしているはずだ。
ウェビナーがもたらす最大の価値も顧客との関係性の開発と維持にある。
開催側にすると、参加者にはウェビナーで提供した内容をしっかりと記憶に留めてもらいたい。
そのためには、参加者が講演者や他の参加者と交流できる時間と関連性のあるコンテンツが必要となるのはリアルとなんら変わりはない。

●従来のリアルセミナーとの目的の違いは何か?
ウェビナーでは開催中から顧客との関係性の開発・維持のレベルを変えていける=より深めるられることだ。
登壇者(話す人)と参加者(聞く人)の立場に分かれるというより、一緒にその場にいる人といった感覚を持てるようにするのも可能だ。これは上手く活用したいところだ。
より魅力的で親近感を持てるようなプレゼンテーション、よりフレンドリーなプレゼンスが顧客との関係性の開発・維持の重要なポイントとなる。
むしろウエビナーの方が、顧客との関係性を深めていくには好都合だとも言える。

2.ウェビナーの役割は考える切り口を提供すること
ウェビナーの参加者は、ただアクセスして、参加しているのではない。
ウェビナーのタイトルが示すテーマに興味関心があるのは言うまでもない。
それは取りも直さず課題を抱えているからだ。

課題解決に向けての切り口を提供することはリアルセミナーでも同じだ。
切り口を提供するには、開催側のスピーカーが登場して進めるセッションもあるだろうし、業界や企業グループの志を同じくするリーダーを集めることもあるだろう。あるいは外部の専門家を招聘しての基調講演もある。
こういった進め方はリアルセミナーとなんら変わりはない。

●従来のリアルセミナーとの「切り口提供」役割の違いは何か?
リアルセミナーでもウェビナーでも伝える帰結は常に一定している。
その時に理解してもらいたい製品・商品・サービスへの理解促進なのだ。
もっと言えば開催側の営業プロセスに乗っかってもらいたいのが本当のところだろう。

何か違いはあるだろうか。
リアルセミナーであれば、1回きりの切り口提供になる。
単純にオンライン化を図るのなら、セミナー開催中にビデオ撮影し、編集したものをアップロードすれば良いとも言える。
ただこれはおさらい・復習レベルに留まることの方が多いだろう。
リアルセミナー主体で進めている企業の営業としては、次の段階に進んでもらいたいと思うのは当然だ。

ウェビナーを実施することは、オンラインで開催時に示すコンテンツを予め準備することになる。これを単にウェビナーで示すだけだとリアルと何も違わない。

しかし示す切り口を容易に変更していけることがオンラインの強みだ。
この強みを存分に発揮するのに威力を発揮してくれるのが、ペルソナ設定だ。
複数のペルソナ設定をできれば、参加者が考えを深めるための切り口を随時変更した訴求もできる。コンテンツは増やせるし、蓄積もできる。
ペルソナ設定のヒントは、従来リアルセミナーで集積したアンケートに数多くある。
また蓄積したコンテンツは、帰結してもらいたいものへの理解を促進することも期待できる。

切り口をより多く準備し、随時変更しながらも示していくことで、B2Cはもちろんのこと、B2Bであってもビジネスの拡大は期待できるだろう。
ペルソナ設定の重要なことは精緻なものを、複数用意することだ。
B2Bにおけるいわゆる「チャンピオン」はターゲット層にすぎない。
更に一歩踏み込んだペルソナ設定をすることで、訴求力は増すだろう。

3.参加後フォローとして、次のプロセスへ誘導する役割
参加者に対して、ウェビナーだけに終わらせず、その後もフォローし関係性を保ち続けられるようにオンラインコミュニティを用意し、これに誘導する。
ウェビナー後も参加者は課題解決のリソースを探している可能性はあるので、解決へのヒントになるような、自社製品・商品・サービスの最新情報、トレンド情報などについてオンラインコミュニティでの対話を促進しよう。

●従来のリアルセミナー参加後フォローとの役割の違いは何か?
大抵のリアルセミナーの場合、営業担当者が購入・導入見込度が高い参加者のフォローから始めていき、見込度が低い参加者にアプローチする頃には、忘れられている。あるいは見込度が低い参加者を放ったらかしにしている場合もある。営業担当者としては正しい活動ではあるが、忘れられない程度のフォローは必要だ。

リアルであってもオンラインコミュニティに誘導することは可能だが、いったんセミナー会場を離れて、改めてパソコンやスマホでアクセスすることになる。参加者側にすると、このひと手間が面倒だ。
ウェビナー終了直前に、オンラインコミュニティへ直接誘導すれば、クリックをしてもらいやすい。
オンラインコミュニティへの誘導ができれば、見込度が低い参加者であっても、ナーチャリングは効率的にしやすくなるし、次のプロセスである「選別」も進めやすい。

ただオンラインコミュニティへの参加者が増えると、運営そのものが難しくなることも考えられるので、マーケティング系のオンラインコミュニティ担当者は必要になるだろう。

さて、ペルソナを明確にしたとしても、上記の目的と役割を踏まえると、ウェビナーで帰結したいところまでたどり着くのは、容易なことではない。
この後に考えなければならないことは大きく2つある。

一つはウエビナー参加度をどうやって高めるかの方法を考えることだ。
仮にペルソナ設定した人達が開催するウェビナー告知を見つけてくれたとしよう。ここで彼らに参加意思を示してもらえなければどうにもならない。

もう一つは、増え続けている、数多あるウェビナーの中で、どうやって際立たせるかの方法を考えることだ。
ペルソナが抱えている課題解決に向けて、自社の開催ウェビナーが価値の高いものに映らなければ、参加はまずないと考えていいだろう。

➽➽ウエビナー参加度を高める方法を考える

ウェビナーの持つ役割に大きな違いはないが、目的は理解度と関係性の深さに大きな違いがある。
ここで改めて考えたいのは、ウェビナー参加度をいかに高めるかだ。
これはウェビナーに参加してくるであろう人達はどんな状況にあるのかということに大きく影響される。

コロナ以前の状態であれば、考えなくてもよかったことが一点ある。
現在、コロナ禍により在宅勤務、社内でも三密回避が保たれ、慣れない環境変化の中で業務を進めている。
様々なストレスを抱えているのは想像に難くない。
ウェビナーに参加することが「時間の使い方としてベストだ」と感じてくれないかも知れない。選択肢に入れてもらえないかも知れない。
そんな中で参加を促し、なおかつウェビナー中の参加度を高める方法を構築することは、難しい。
どうやって、時間の使い方としてウェビナー参加が価値のあるものにするかを考える他ない。

以下は、従来あるいは現在行われているウェビナーでよく使われている参加度を上げるための方法例だ。
全てを実施することよりも、テーマとペルソナに合わせて企画することが重要だ。

【方法例】
①プロモーション段階において、ウェビナーに出席してもらうためのプレゼントを用意する
②プレゼンテーションが簡潔で視覚的に魅力のあるものにする
③ゲーミフィケーションプログラムを追加する
④スピーカーへの直接質問などの行動へのリワードプログラムを駆使する
⑤ブレイクアウトセッション参加者へのリワードプログラムを付加する
⑥投票、Q&A、チャット、ビデオディスカッションを利用する
⑦ハッシュタグを介して、ソーシャルメディアでの情報を共有する
⑧参加者の都合の良い時間に開催する
⑨長時間ウェビナーの場合、半分以上離脱せずにいる参加者にコンテストや懸賞を実行する

以上が、主だった参加度を高める方法だが、考えていけば他にもあるだろう。

➽➽数多あるウェビナーの中で際立たせる方法

ウェビナー参加度を高めるプロセスに進む前に、参加者を引き付けていかねばならない。彼等は価値のある情報を求めていて、こちらが帰結してもらいたいと考えていることだけを意識しているわけではない。
競合他社のウェビナー参加を選択しないように、自社のウェビナーがいかに参加する価値があるのかをしっかりと伝える必要がある。

ウェビナーを際立たせるのに絶対に間違いのない考え方がある。

「ユニークであること・ユニークさを保つこと」

これに尽きる。ペルソナに合ったユニークさを表すことができれば、数多あるウェビナーの中で、際立つことは間違いない。
これはリアルセミナーを繰り返しやってきた会社でも、実施のたびに繰り返し考えていることだ。

以下は、従来あるいは現在行われている自社ウェビナーを際立たせる方法だ。ペルソナ設定後、これらの方法のいくつかを組み合わせて開催するウェビナーのユニークさを表していくと良いだろう。

【方法例】
①マーケティング活動を惜しまない、削減しない
マーケティング活動における成果物リストの作成はもちろん、リアルセミナー用で準備するステージの装飾、スポンサードの掲示、またスライド中断時の代替表示方法など、ウェビナー構築に関係するものを洗い出し、いかにオンライン化するかをチームでブレストするといいだろう。

②ペルソナが「この人の話を聞きたい」と考えている人を招聘する
有名人や権威ある人であることにこしたことはない。それよりもペルソナがどう捉えるかが重要だ。いくら有名人でもペルソナの課題に直結しない人であれば、単なる客寄せパンダにしか映らない。
招聘する人が有名でなければ、いかにペルソナの課題に直結する人かをプロフィールで紹介することにチカラを入れれば良いだろう。

③参加者がウェビナーを楽しめるケアパッケージを追加する
これは参加者が「同じ時間を使う」同時性を促進するための仕掛けだ。
例えば簡単なスナックを参加者の居場所に送付し、ウェビナー開始時に、開封を促し、「そのスナック、気にいってもらえましたか?」の一言を投げかけるだけで、アイスブレイク効果を発揮する。
参加者が複数人で一箇所からアクセスしていれば尚更だ。

④アクセシビリティを高める
より多くの人に参加してもらいたければ、ウエビナーでのライブキャプション、同時通訳の有無など、多くの人が参加可能であることを示すことや、申込自体も電話受付でも可能といった要素を組み込み、ウェビナーにアクセスしやすいようにしておくことも必要だろう。

⑤ウェビナー開催後フォローのオンラインコミュニティの案内。
上記の役割の違いでも触れたので、ウェビナー参加者はいつでもコミュニティにアクセスし、担当者とコミュニケーションが可能であることを示しておくことも必要だろう。

以上が、主だった際立たせる方法だが、他にも考えれば出てくるだろう。
費用のかかることもあるだろうし、まったくかからないものもあるだろう。

➽➽チャレンジャーかフォロワーか

ウェビナーに限らず、やったことがない、前例がないのは、多くの企業にとっては当たり前の状況下にある現在、環境変化に対して企業はチャレンジャーでいくか、それともフォロワーでいくかを問われているように思える。
多くの場合、どんなペルソナであっても、チャレンジャーには注目する。
そのことだけは忘れないようにしたいところだ。

ウェビナーあるいはリアルセミナーであっても、参加者は、あくまでお客様だ。
そのお客様が求めているものは何か?
そのお客様が「参加してよかった」と感じてもらうには、どうすればいいのか?
それらの問いに自ら客観的に向き合えれば、答えは出てくるだろう。

私は現在、上記の考え方に基づき、クライアントが実施してるリアルセミナーのオンライン化、つまりウェビナー化を進めている最中だ。

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