経験からの学びを止めるな。

緊急事態宣言解除後、ほぼ約2ヶ月。いったん収束方向にむかっていたものの、
誰もが感染拡大防止策は続けているにはいるが、感染者数がまた増え始めてきている。もし、本当に気の緩みであるとすれば、それぞれが気を引き締めればいいわけだが、我々が更にできることは、この間で経験したことから学びを得て、次に向かうための糧とすることだろう。

➽成長の糧になるものはあるはずという問い

新型コロナウィルス、COVID-19、クラスター、自粛要請、ロックダウン、オーバーシュート、Stay Home、緊急事態宣言、医療崩壊、テレワーク、リモート、コロナ禍、ウィズコロナ、アフターコロナ、アンダーコロナ、エクモ、アビガン、コロナ疎開、コロナ離婚、オンライン会議、リアル、バーチャル、アベノマスク、新しい生活様式、三密回避、ソーシャルディスタンス、ニューノーマル、感染者数、陽性率、エピセンター、エピカーブ・・・この間さまざまな単語や言葉が飛び交い、我々は言葉を覚えながら、誰もが新しい生活様式を開始し、続け、今も続行中だ。
続行中だが、次に進むためには、生活者として、働く者として、一旦止まって見るてはどうか?どんな経験をしてきたのか?あるいは経験中なのか?
まず、この問いから見ていくことにしたい。

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➽➽経験からの学びを止めるな

➽問い:コロナ以前とコロナ禍の行動にどのような「違い」があるか?

この問いは、緊急事態宣言中や、ウィズコロナでどんな経験をしたか・しているかを自分に問うことが目的だ。

例えば、よく聞く話しのひとつに、報道番組やニュースサイトを見る回数がコロナ以前よりも、かなり増えたというものがある。
誰もがナーバスになっていたし、正確な情報を得ようとした。
それは「生存」することを目的に正しい判断や選択をしたいと考えたからだ。

まずは、箇条書きで、順不同で構わない。思いつく限り書き出す。
この回答に正解はない。あるとすれば、自身の答えに納得できるものがあるかどうかだ。

➽問い:それらの行動を取っている時、どのような感情でいたか?

自身にとって、コロナ以前と違った行動を感情面で区別する。
感情面で区別するといっても、ざっくりで十分だ。
自分自身が心理学の専門家でないかぎり、細かく分けられないだろう。
細かくわけたところで、感情の識別トレーニングを受けている人でさえ、非常に難しい。
自分にとって、「良かったもの」「嫌だったもの」「どちらとも言えない」の3つに分けるだけで十分だ。

➽それは自助か?、共助か?それとも公助か?

感情面での区別を付けた後、更にその目的を考えてみる。
コロナ禍での行動の違いは、全てが「守る」ことが目的だったはずだ。

守るということでいえば、自助、共助、公助は防災対策の3要素だが、これは感染症対策にもあてはまることだ。
・自助とは「自分(家族)の命は自分(家族)で守る」
・共助とは「自分たち(顧客・地域・組織・グループ)は自分たちで守る」
・公助は「公的機関が守る」
「良かったもの」「嫌だったもの」「どちらとも言えない」に区別したものを、この3要素のどれに相当するかを検討してみる。

「良かった」と思えるものは、自助、共助につながっているはずだ。
どちらとも言えないというものは、望みもしない共助があったのかも知れないし、必要だけど嫌いだというものだったものかもしれない。

嫌だったもの、どちらとも言えないと捉えていたものも、少なくても自助に必要なことは理解できるだろう。
自分にとって好ましく思えないのであっても、これが共助につながっている視点があると、他者に役立つことであることぐらいはわかるだろう。

最初から公助をアテにしたということもあり得るし、その反対でまったくアテにしていなかったということもあっただろう。市場からマスクが消えた時のアベノマスクはその最たる例だろう。発表された時は多くの人が期待し、サンプルを見て落胆し、不要と思った人も多いだろう。

➽目的のない行動は形骸化し、忘れてしまいがち

感情的に嫌なものは、いやいや実行するけれど、その目的を忘れてしまうことになる。以前、「目的不明の会議は中止しても問題ないは本当か? 」にも書いたが、目的がないものはカタチだけになり、いずれ形骸化する。
いずれにしても目的がない、あるいは忘れてしまった行動は、手段が目的化してしまい、結果、形骸化したり、ついつい求められる行動そののものを忘れてしまうのは、コロナ以前であろうが、ウィズコロナであろうが、アフターコロナだろうが、常にあるので、気をつけたいところだ。

手前味噌になるが、「外出時のマスク着用」がまだ習慣化していなかった頃、ついつい忘れることが多々あった。
感染拡大防止のために必要であり、自分を守るためにも必要で、今や社会性を保つためにも必要だと捉えているが、嫌いなことには変わりはない。ただ私自身の中では、付け忘れることはなくなった。
余談だが、マスクはもはや毎日洗うという意味で下着化、Tシャツ化してきている側面もある。

➽問い:経験から次に向かうための学びは何か?

経験からの学びを得ることが目的の問いではあるが、生活や仕事の立て直しを図るためのものでもある。

「経験はいずれ美化された思い出になる。」というのは、誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。経験はどこかの時点で美化される。
これには、2種類の美化補正がある。

ひとつは、経験から学びを得て、その後の向けて活かそうとする時。つまりは成長思考であり、未来思考であり、創造思考につながるものだ。前を見た時点で経験は時間の経過とともに思い出になり美化される。

もうひとつは、「昔は良かった物語」をする時。この美化時点で学ぶこともあるが、もう次の活かすことはないことを薄々感じながらも、同じことを繰り返してしまう自己肯定に帰結するものだ。これを否定するものではないが、今はその必要はないということだ。

今、必要なのは、前者の学びだ。どんな状況においても、現実は常にそこにあり、立ち向かっていかねばならないし、常にベター、ベストな状態を保って行かねばならないと考えると、コロナ禍での経験から学びを得て、次に活かしていくことも考えたいところだ。
後者の学びは、もっと数年先に嫌でも思い出すことになるだろう。

➽問い:会社としての経験からの学びは何か?

緊急事態宣言解除後から約2ヶ月経った。
元のカタチに戻ってしまった企業も多くある。
大事なことは、緊急事態宣言期間中の経験から学びを得るということだ。
はっきりとわかっていることは、元に活動状態に戻して、いくらアクセルを踏んでも、経済活動に思うようなドライブはなかなかかからないということだ。
ドライブがかからないまま、アクセルをいつまで踏み続ければ良いのか、そのうち現場から悲鳴に近いクレームが出てきてもおかしくない
そういう会社からは人は離れ、また近寄ってもこないだろう。
新たな立て直しが必要だ。
新たな立て直しなくして、ニューノーマルには向かうことはないだろう。

立て直しについてのベストウェイはまだはっきりとしたものはない。
現在目立っているのは、せいぜいがリモートワークの延長線上にあるものだ。
これはこれで一つのベターウェイだと言えるだろう。
ベストと言えるかどうかは、まだ先の話しだ。

リモートワークに移行した、時間差出勤をするようにした、チーム制にした、できることをやったが、ベストウェイが示されることは当面あるはずもなく、それぞれの企業が模索していくしかない。
まずは業績を回復させることだが、従来のやり方に感染防止策を続けていくだけでは、回復は覚束ないのはわかっているはずだ。
新たな立て直し=回復のために何が必要か?
「学びを止めるな」ということだ。

➽➽ブレーキとエンジンを同時に踏むことではないことを探す

感染拡大防止策と経済活動策を同時に実行することは、「ブレーキとエンジンを同時に踏んでいるようなものである」と巷では語られている。
感染対策と経済対策を別物として見れば、選択肢として、そのように思えるのは理解はできる。
「じゃあ、どうすればいいのか?」という疑問が出てくるのも当然だ。
しかし冷静に考えてみれば、その疑問は、コロナ以前の経済活動をそのまま維持し、続行したい・・・つまりは元のカタチに戻したい・戻りたいという考えから発生しているものだ。そうなればいいと誰もが思っているのは間違いないだろう。私もそう思うし、そう願いたいところではある。
しかし一方で、元に戻ることはないという共通認識も生まれている。
となれば、立て直していくためには、ブレーキとエンジンを同時に踏むことではないことを探す他ないだろう。
簡単に表せば、「新しい仕組み、新しいシステム」を考えて行く他ない。

現在のクライアントには、新たな立て直しのための考え方は伝えた。
ここに書いた問いも伝えてある。
今後、具体的にしていく上で、一緒に考えていくことになるが、やったことがなくてもやらねばならないことも出てくるだろう。そして当面、模索を続くことだけは間違いないだろう。

経済活動は、人の営みであって、人がいるから成り立っている。
人がいるからこそ、需要も消費も、供給も提供も生れてくる。
これにトレンドやリピュテーションが加わる。
現在は、企業としても、自助が共助につながるし、それががあってこその経済活動だ。
眼下の状況では、感染対策と経済対策は決して別物ではないし、選択肢でもないことは忘れないようしたい。

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