2021年1月1日金曜日

2021年 謹賀新年 新常態への本格的スタート

新年、明けましておめでとうございます。
昨年はいつもとは全く違った日々の連続でした。
弊社の仕事はずっとオンラインのみの対応でしたが、それでも続けさせていただけたことは、新たな仕事の取り組みの構築のお手伝いになったのではないかと捉えております。クライアントの皆様には、お礼を申し上げるとともに、とても大切な思いを共有させていただけたと感じております。

➽➽不確実ではない時代はなかった

かつてない不確実な環境下で2021年が始まると言われています。
では不確実でない時代というのは、本当にあったのか?
最初にこの疑問が浮かびました。
少なくとも私が学生の頃に流行ったJ・ガルブレイス著「不確実性の時代」以降、一度も確実な時代はなかったのではないかと思えます。

➽「どうにもならない」と「異質な不確実性」

さらにコロナ禍により、個人の生活も企業の活動も一変しました。
我々が置かれている現在の状況は、人の流動性を高めて経済を活性化し、感染が拡大すると防止に切り替えるという極端な振り幅を持ち、これこそが、"Nothing can be done"(どうにもならない。)と分断の流れを強化するように思えてなりません。

2020ニューノーマルへの本格的スタート

これまでとは異質な不確実性の中に生きているのだと思えます。
本当のVUCAな時代になってしまったということです。
そして「一年経った」ということだけであって、「どうにもならない」といえるほどの経験値を積んではいないのも事実でしょう。
経済活動というアクセルと感染拡大防止というブレーキは、今のやり方とは違う全く違うやり方が存在し、それは誰もが全く経験したことのない、変えられないとされてきたものの中にこそあり、これが新常態(ニューノーマル)の正体であるのかもしれません。それがどんなものか、誰もまだ見つけていません。
意外に単純な答えかも知れないとも考えています。

➽変えられないという選択肢はないかもしれない

従来ならば、変えられるものと変えられないものがはっきりと分かれていました。
テレワークひとつとってもわかるように、変えられるものであっても変えられないとしてきたのは、我々の感情や思い込みに過ぎないものでした。
それでも変えられないものは本当にあるのか?多分あるでしょう。
あるでしょうが、本当に変えられないものかどうかを今一度吟味してみるのもひとつでしょう。少なくとも今とは違う前進の道が見えてくるはずです。

「ウィズコロナ」はあるにしても、「アフターコロナ」の時代は果たして訪れるのでしょうか。
その答えはわかりませんが、ニューノーマルに向けて変革に伴うリスクを恐れず、事業のプロセス、企業の体質、あるいは生き方や働き方を根本から見直そうとチャレンジしている企業があります。

このニューノーマルの正体を突破できる答えを持つ者が、どこかに現れてくるのかもしれません。
しかし、それを待っているだけに留まらず、我々は目の前の課題と遠い先を見越した課題に取り組んでいかねばなりません。それを忘れてしまった企業や人に進歩はないでしょう。

➽ナウシカの回答は何を意味するのか?

2020年末にテレビでアニメ映画版「風の谷のナウシカ」が放送されていました。
数回観た記憶はありますが、今回はなんとなくクリスマス気分で観ていて、放送されたアニメ映画版と漫画版「風の谷のナウシカ」とではエンディングが違うことを思い出した途端、浮かれ気分も吹き飛びました。
風の谷のナウシカ©スタジオ・ジブリ


アニメ映画版はハッピーエンドで終わりますが、漫画版では、さらに過酷な未来が待ち受けており、文明が失われた世界が描かれています。
猛毒の大気を撒き散らす菌類の森=腐海が人類の生存を脅かし、その腐海が拡大していく。そこは現代と同じマスクなしでは生きていけない世界。
描かれているのは、拡大し続ける新型コロナウィルスに対する現在の我々と同じように、不安や怒りがうずまく人々の表情。
その最終局面で、ナウシカは、失われた文明の一部を発見します。
人々は喜びます。「これで元に戻れる」と。
しかしナウシカは、これを破壊してしまいます。
これがナウシカの文明に対する回答でした。
果たしてこの「破壊」の意味は何であったのか。

この年末年始はいくつもいくつも疑問が浮かび、その疑問に何一つ自分なりの回答を出せない、気持ちの悪い時間を過ごすことになってしまいました。

「一年経った」という事実とそれほどの経験値を積んでいないということ。
変えられないとしてきたことにこそ、もしかすると、ニューノーマルの正体が潜んでいるということ。
この2つを得ただけでも、気持ち悪さも無駄にはなっていないということだろうと考えています。

今年も、弊社は、クライアントの皆様と共に、この不確実な海を漕ぎ進むために、リーダーシップとコーチングをベースに課題解決と事業支援を行ってまいります。

本年もよろしくお願いします。

2021年1月1日 
株式会社ガンビー・コミュニケーション
代表取締役 吉尾直記

2020.01.02追記
1月2日の午後、関東圏の各知事が共同で政府に対し「緊急事態宣言の発出要請」を行いました。
果たしてこれが、どれほどの効力を持って、感染拡大を抑制できるでしょうか。
続くワクチンや治療薬はどこまで感染の連鎖を断ち切れるでしょうか。
変えられないとしてきたものに手をつけて変えない限り、激しい振子が繰り返されるように思えます。


2020年11月16日月曜日

新型コロナ第3波で中小企業がやっておいた方がいいこと3つ

 新型コロナの感染が11月になって、急に広まりだした。第三波目前という様相だ。まだ第三波と確定したわけではないが、このウィルスが2019年末の武漢で発生した頃に比べれば、随分さまざまなことがわかってきたという。

だけど市井に生きる者としてできることは、何も変わりはない。マスク、三密回避、ソーシャルディスタンス、手指消毒などがせいぜいで、これを職場・家庭内で徹底することぐらいだ。

気が緩んでいると言った意見もあるが、そうではない。最初から目的を紐解くこともせず、ただ「こうしなさい】と言われていることをただやってきただけのことだ。いつものことなので、とやかく言うほどのことではない。どうせ言うのだったら、目的からしっかりと確認したほうがマシだ。

GO To Eatの予算も11月15日の時点で使い切り、経済的には若干停滞することになるのかもしれない。ここからが挑戦するところなのに、ニュースで流れてくるのは「もう駄目です」と嘆く店主の声ばかり。十分立て直しを図った店もあれば、そうではない店の声ばかりが聞こえて来るのは残念だ。

こういった飲食店舗にとっては、もう少しの間、経済活動を進めていきたいところだろうが、北海道が緩めとはいえ自粛制限に入ったことは、他府県に大きな影響を与えることにもなるだろう。

いずれにしろ、経済活動を活性化すれば、感染は拡大し、感染拡大を抑止すれば、経済活動はしやすくなるということ自体はなにも変わらない。果たしていつまで続くのか?しばらく繰り返しが続き、そのうちニューノーマルと言われる時代がやってくるということだろう。

では中小企業はどうか?全国的に感染者数の増加もさることながら、クラスターも発生しているので、改めてしっかり感染予防を徹底する必要はある。それで通常活動ができるかというと、そういうことでもないだろう。

できる部分はできる部分として続けていけば良い。そうでもないところをどう変えていくかを考える必要はあるだろう。ただ何を変えていくにしても、短期的な視野ではきついものがある。

この段階で必要なものは、ワクチンができた後、回復期を見越したビジョンと何があっても会社を存続させるという経営陣としての意思が必要だ。

悲観的な話で申し訳ないが、コロナ禍は短期的なものではなく、長期的なものになりそうだ。武漢型新型コロナが発生したのは1999年12月。東京型といわれたものは5月。まだ1年も経っていない。気候により変異していると言われているコロナウィルスに対抗できる術を人類が持ち合わせるまで、まだまだ時間がかかりそうだ。そうするとビジネスを取り巻く環境の変化はますます激しいものになり、まさしくスーパーVUCAな状況になると直感的であっても間違いはないだろう。

本当に第三波ともいうものが来て、企業活動の縮小や一時停止が余儀なくされた場合、何をすれば良いか?もっとも恐ろしいのは、危機的状況において「何もしない」という選択をすることだ。真価が問われているのに、何もしないのだとしたら、会社は先々しんどくなることが確定したようなものだ。

やれることはたくさんあるが大きく3つだけ提案しておきたい。コロナ禍において、人材育成にチカラを入れること、デジタル・オンライン化の推進すること、これらを含めて企業としての価値を高めることだ。

決して元の状態に戻るわけではない。元の状態でやっていける事業であったとしても、それを良しとするのは顧客側であって、NOとされれば、市場から退場させられるだけだ。



➽➽人材育成に集中度を上げる

緊急事態宣言以降において、集合型研修は困難になり、在宅からのウェビナーや、ビデオ会議ツールを使った研修は取組みやすくなった。これには電車移動がなくなるといった時間的余裕と精神的苦痛からの開放が功を奏した。

このマーケットは一気に花開き百花繚乱状態になった。アナログでやっていたものをそのままオンライン化した録画物セミナーや、ビデオ会議ツールを使っていても一方通行のものが多く目立ち、この中から自社にあったプログラムを見つけるのは至難の技でもあった。

そこで重要なのは、後でふれるオンライン・デジタル化にも通じることだが、社内の研修やOJTも含めて、ビデオ会議ツールを使って双方向で進めていくことだ。

社外講師とのセッションでも、少人数で双方向のコミュニケーションが取れる状態でやれればそれが望ましい。少なくても弊社ではそうしており、リアルのセッションとなんら変わらない状況を再現している。違いは「顔」だけが見えていて、その周囲が見えないことぐらいだ。

ここに問題があるとすれば、経営陣が人材育成にチカラを入れることを第三波中にするかどうかということだ。ちょうど評価の時期でもある。評価の目的は以前書いたが、今一度確認してもらいたい。

➽➽デジタル・オンライン化の推進にチカラを入れる

とかく中小企業の昭和の経営陣は、デジタルに弱い。経営陣だけではなく、幹部クラスでも圧倒的に弱い人が多い。しかしよくよく見ていると、弱いのではなく、単におっかなびっくりなだけであって、電気自動車には乗っているし、スマホやタブレットも使っている。使いこなせているかどうかは別にして「デジタルが苦手」というのは単なる思い込みに過ぎない。使っていないからわからず、わからないから手をつけず、手をつけないから苦手なのだ。このパターンは子供がやる苦手なものに対する行動パターンと同じだ。

2020年はデリバリーへの移行や導入をせざるを得なかった食品メーカー、飲食店関係は山のようにある。デリバリーが無理でもテイクアウトを導入した。それもこれも新型コロナ感染防止のための接触回避や飛沫感染防止に他ならない。

こういった移行をしたところは、小さい個人商店はなんとかやっと維持できている程度かもしれないが、確実に固定客を増やしつつある。こういったデリバリーにしろ、テイクアウトにしろ、基本はオンライン予約によるものが圧倒的だ。おまけにクーポンがついてくるものが多くなった。ただ政府が主導していたGoToEatは予算が上限に達した。ここから本当にデジタルでのサービスの差がつきだすのだろう。利益率は少なくなるかもしれないが、オンラインサービスをうまく利用することで、中小企業も更に生き延びる手立てはみつかるはずだ。SNSやWebを使ったマーケティングを考えるにも、自身で発信してみてどのようなレスポンスが起きるのかを体験しておくのもひとつだろう。

更に社員に、デジタル・オンラインに慣れてもらう必要がある。例えば多くの企業でパソコンは一人一台環境はあるのだが、使い方がおかしい企業は多々ある。

例えば、エクセルで文字情報やイラストを駆使した企画書や文書を作成している。あるいはエクセルを使い倒していると思っていたら、関数もあまりしらず、当然マクロも知らず、コピペを繰り返して、新たな文書をつくるというワープロレベルでしかない使い方をしている人達もいる。

ITリテラシー的な問題もあるだろう。メール件名の付け方やレスポンスタイミングなどはその真骨頂ともいえる平成初期の問題だ。これらも苦手意識からなんだかんだと理由をつけて回避してきたに過ぎないことにいい加減気づいて自身に修正をかけてもらいたい。

➽➽企業価値を少しでも高める努力をする

大きな経済活動と大きな感染拡大予防が波のように繰り返すのでは、長期的なビジョンを考えていくのは難しいと思われるがそうではない。むしろチャンスだ。不安定な時、ビジョンを有することは、資金調達面でもプラスに働く。経営者の強い意思をみせるほどに金融機関は融資に応じる可能性は高い。いまやスーパーVUCAな状況で、用意している判断基準に照らし合わせているだけでは、将来性が見込めないということだろう。実際私の知り合いでも無担保で銀行から高額融資を受けている。金利も極めて低い。その資金で、上記の2つに取り組んでいくことも考えられるし、他にも投資しなくてはならないこともあるだろう。

第三波が本格化し、事業活動の一時停止や縮小が余儀なくされた場合は、上記の他にもやれることは多々ある。

仕事の効率化やずっとやっている企画の効果性などを見直し再考してみるのもひとつ。これらの分析予測の精度を上げていくことも一つ。じっくりと考える時間的余裕がなかったものに取り組み、新たなアイデアや、現場からのアイデアを試すことだ。こういったものトライがやがて自社の将来につながっていく。

くれぐれも将来の成長につながらない在り方=何もしないで「なんとかなるだろう」と高を括るようなことだけはしてもらいたくはない。


2020年11月2日月曜日

ハイブリッドワーク&マネジメントへのヒント8つ

冬場に向かって、インフルエンザと共に陽性者率が増加してきているようだ。今年の初夏以降、一旦職場での仕事を再開させた企業も、年末年始にかけて再びリモートワークを強化していくことになるかもしれない。多かれ少なかれ、そういう事態になっていくだろう。

今後の新型コロナ対策を考える上で、職場での業務再開とリモートワークのハイブリッド化は必須ではあるものの、中小企業にとっては、人材が不足していることやAIやRPAの導入が遅れていることもあって、リアルとリモートのマネジメントを切り替えるのが困難であるのが実情のようだ。

遠隔地である支店や事業所・営業所との会議などのコミュニケーションをオンラインですることがせいぜいで、実際のマネジメントそのものはあまり変わりはないとよく聞く。

それでは、遠隔地のメンバーとのミスコミュニケーションが起きることは否めない。それでなくても、ミスコミュニケーションは起きているわけだから、いわずもがな。

以前にも書いたことも含めて、この冬を迎え、乗り越えていくにあたって、リアルとオンラインでのリモートワーカーをどうマネジメントしていくかを改めてまとめることにした。

※今回の記事でのリモートワーカーは、特に注釈がない限り、在宅勤務者とは限らず、出社していてもリモートで仕事をしている人のことを指す。

クライアントには、一度に全てをできることを目指すよりも、ひとつずつ確実にできるようにしてもらいたい。

マネージャ(管理監督層)を中心に書くことになるが、一般社員やプロジェクトメンバーもお互い様という意味で理解と実践をお願いしたいところだ。

➽➽リモートワーカーの不満がそのまま解決策に直結する。

リモートワーカーの不満は、マネジメント側には見えにくい。リモートワーカーの不満は、ほとんどがコミュニケーション不足ということだが、これにともなって、マネジメントが機能していないということもある。

➽部下がマネージャにアクセスしにくいことが最も大きい問題

これは逆の立場でもよく聞く。お互いに顔が見えていないので、コンタクトが取りにくいという。電話であれば一方的なので気にせずかけているにも関わらず、オンライン会議という呪縛にかかっている可能性もある。

まず本当にオンライン会議の形態を取る必要があるものかをよく考えれば、そうでもないことも結構あるものだ。電話で済む場合もあれば、メールやメッセージ、チャットといったテキストコミュニケーションで済む場合もある。

その辺については以前書いたので、それを参照してもらいたい

ポイントはガチガチのルールにすることではなく、ゆる~いルールにしておくことだ。

コンタクトが思うようにできないことによって、何が起きるかを考えると、例えば、チームメンバーとのつながりを維持することを難しく感じてしまうことやマネージャ自身やメンバーのストレスを解消すること、勤怠管理、人事評価、チームのモチベーションを維持する、活発なミーティングの開催、進捗状況の把握、情報交換が難しく思えているのだ。

リモートワーカーの不満がそのまま解決策に直結するので、「何をすれば良いか?」自体はさほどわかりにくいことでもない。問題は「どう変えていくか?」ということだ。






➽➽ハイブリッド・マネジメントへどう変えていくか

➽1.まずは業務効率化を進めていく

リモートワークでやろうがそうでなかろうが、業務を効率化すること事態はいつもついてまわるものだ。ならば、上記の問題のうちのいくつかは、リモートワーカーがいなくても、「いる」ことが前提で考えておけば、ハイブリッドでの切り替えもシームレスなものを目指し、スムーズにできるようにする。

例えば、オンライン会議なのは最たる例だ。同じ社内であっても感染拡大防止の一環でオンライン会議ツールをつかって、各個人の自席から参加することも可能だろう。もう会議は会議室でやるものだという前提を捨てても良い頃だ。頭が固い人ほど、自席で話すものでないという固定観念に取らわれがちだ。実際は電話で話しているにも関わらずだ。

また勤怠管理や人事評価ツール、プロジェクトの進捗管理も効率的にできるオンラインサービスが、この半年間でたくさん登場したので、探せば、自社にあったものも見つかるだろう。

ちょっとしたプロジェクト管理であれば、エクセルやGoogleスプレッドシートであれば、無料で優れたテンプレートが山のようにある。

➽2.効率化の鍵=重要ではない仕事を減らす

リアルであってもオンラインであっても、重要でない仕事を減らす努力をしていない企業は、いつまでたっても効率化はできない。何も減らさず、何も変えずに効率化を図ることを要求される担当者にしてみれば、拷問のようなものだ。まるで永遠のデスマッチだ。

早急に業務の棚卸しをし、いわゆる「業務仕分け」をすれば良い。RPAなどの自動化ツールを使えるものは使っていけば良いし、RPAに至らなくてもエクセルのマクロなどを使えば、手間取っていたことも簡単にできることもあるので、調べてみるのは必須だ。

➽3.目標は曖昧にせず評価できるようにする

目標は目標でも、定性的な目標は、認識の違いにより解釈が変わり、アウトプットが違うものになる可能性がある。リモートワーカーとの目標設定は曖昧にしたり、定性的であるとすれ違いがあるので、可能な限り定量的な目標を設定しておく。

リモートワーカーがどれだけ頑張って、どれだけ努力したとしても、アウトプットが期待されるものでなかったら、それが評価されることは少ないし、マネジメントする側にしても評価しようがない。

そこで成果物や実績で評価される制度に切り替えている企業も多い。曖昧な目標設定や定性的目標は、お互い不幸になりかねないので、評価を適正に確実にしていくためにも定量的な目標が必要だ。とはいえ、定量的な目標だけに終始していると、関係性がギスギスすることもあり得る。大事なことは定性目標をどこまで定量目標に変換できるかを考えることだ。

➽4.プロジェクトの進捗状況を共有化する

共有するだけなら、オンラインツールを探して使うだけで良い。オンラインツールのほとんどは、共有することが前提になっている。

問題は「共有化」だ。つまり、共有した上でそれぞれのメンバーが「では、次に私は何をどうするか?」がそれぞれの意思で明確になっているかどうかだ。これにはオンラインツールでも共同作業ができるものを選ぶといいだろう。

共同作業できるツールであれば、上司がメンバーに直接的に教えている感覚も持てる。その上で同じオフィス空間で働いている時以上に、部下の進捗状況報告による共有と次の課題に向かう上での「共有化=次に何をどうするか?」を必ず行うようにしていきたいところだ。これはリアルだろうが、オンラインだろうが、同じフォーマットでできるだろう。

違いは、リアルの場合は口頭で済む場合が多いが、オンラインの場合はテキストコミュニケーションでやれば良い。どうしても確認が必要、共有内容の深堀が必要であるということなら、オンライン会議サービスや電話を使えば良い。

➽5.問題があっても解決策を求めない

メンバーがリモートワークで仕事をしていると、業務上の多くの問題に気づくことがある。リアルでは気づかなかった問題発生の兆候を発見したりすることが多い。それらは、マネジメント方法に起因することが多いのだが、マネージャがオンラインで進める事自体に躊躇していることや、前向きになっていない時だ。

こういったマネージャのやりがちなこととして、「このあたりは気になる。もしかすると大きな問題になるかも。」とメンバーが報告した場合、「では解決策を考えて提案してくれ」ということがある。

新型コロナの状況下では、問題に対して多くの人が明確な答えを持っているわけではない。ここで必要なことは、マネージャが「一緒に解決策を考えよう!」と投げかけ、共に進めることだろう。

問題が山積みになり最悪になる前に、解決するために適時フィードバックすることも忘れてはならない。細かすぎず適切に頻繁にフィードバックし、共に考えるスタンスを維持できれば、問題の山積みから来る大きな修正が回避できるようになる。そうすればチームとしての平穏に仕事に向かうことができるようになるだろう。

➽6.通信環境の問題をクリアできない人もいない人に解決策を提供する

リモートワークでは、通信環境や仕事をする環境をそれぞれに任されていることが多い。在宅勤務のリモートワーカは、仕事をする場所と家族と一緒にいる場所が一緒であったり、プライベートと仕事の切り替えが難しい場合がある。そういった人達は、仕事に集中しにくい状況にあるということを理解しておくことも必要だろう。

メンバーの仕事の進捗が遅いと「サボっているかも」と疑問が湧くこともある。メンバーにしても「サボっていると思われているかも」と思うこともある。お互い疑心暗鬼の状態になってしまうわけだから、ほうっておくと関係性はギクシャクしたものになっていく。これは避けたい。

マネージャとしては、通信環境や業務遂行環境に関してやりにくいことはないか、困っていることはないかをしっかりと確認し、メンバーの自宅近くのホテルやレンタルルームなどを借りる許可を出す必要もあることを知っておこう。

一方で、機材を会社が全て提供してくれることはもはや珍しいものになってきている。セキュリティツールの提供はあっても、PCやWEBカメラ、ヘッドセット、Wi-Fi環境は自分で用意することが前提になっている会社は多い。

これをとやかく言う人もいるが、電話は自前で用意するのに、PCなどの道具は会社が用意すべきという理屈は成りた立たないと言われても仕方ないだろう。会社都合で在宅勤務になったからといって全額会社が出す理由にはならないことも当然なのは、通信環境という意味ではなんら変わりはないからだ。

➽7.一人リンゲルマン効果を防ぐ

ハイブリッドマネジメントを目指す上で、これが最も影響が大きいものかもしれない。

多くの場合、リモートワーカーは、自身の判断で業務を進めていくことになる。そうすると、一人リンゲルマン効果によって思わぬ方向に進み、期待とは違ったアウトプットになることもある。

リアルの場合は、わからないことや迷うことがあれば、すぐに質問ができるが、リモートワーカーにとってはなかなかスムーズにできるものではない。特に在宅勤務のリモートワーカーにとっては深刻な問題に成りかねない。

そこで定期的なミーティング(オンラインでもリアルでも)をすることになるが、シームレスにやっていくことを考えれば、オンライン会議の定期開催は少なくし、こまめなフィードバックは、報・連・相と連動する形でテキストコミュニケーションで進める方がお互いに気が楽だと思われる。

あるいは、アウトプットやこれに伴うコンテンツと必要とされるプロセスが一定であるルーチン業務にすることで、安定性を確保することもできるだろう。ただし、この手のルーチンによって、メンバーの成長を図ることは困難であることを知っておこう。

また定期的なミーティングは、週の終わりに、具体的にストローク(肯定的なフィードバック)をする時間を確保することも忘れないようにしたい。

➽8.マネジメント・コミュニケーションでのオープンチャネル

議題がなくてもかまわない。ちょっとした雑談も必要だろう。そのためには、マネージャは、テキストコミュニケーションのチャンネルをオープンにしておくことが必要だ。テキストコミュニケーション上で、「これは話す必要がある」と判断した場合に、即座にオンラインや電話にすれば良い。こういったコミュニケーションチェンネルをオープンにすることで、頻繁なコミュニケーションで距離感を縮めることにもつながるだろう。

但し、オンライン上にお互いがいるということは、感情は複雑になりがちだし、いくら距離感を縮めるといっても、頻繁なやり取りを避けたいメンバーもいれば、マネージャのキャパ以上のやり取りをしたいメンバーもいる。お互いの立場を尊重しよう

そういう意味では、マネージャは、チャネルをオープンにできる時間とそうでない時間を、共有カレンダーサービスなどを使って明示しておくことも求められるだろう。これは逆の立場でも同じだ。メンバーにしても、集中して業務を進めたい時に、いきなりマネージャから「調子はどう?」と割り込まれたら、鬱陶しいはず。

マネージャ自身の都合を開示し、メンバーにも都合を開示してもらって、つながっていくことで、信頼感を醸成することにもつながるだろう。

➽➽リモートワークのマネジメントでも、やはりコミュニケーションが重要

新型コロナへの対策でのリモートワークは当たり前に取り組めるようになった企業でも、実はもともと「働き方改革」としてリモートワークが要求されていたことを忘れていることが多い。これには会社としてのマネジメントを体系的に見直すことが必要なのだが、その前に新型コロナがやってきてしまって、リモートワークを前倒しにしたのは良かったのだが、そのままになっているのだ。

会社としてのマネジメント体系を整備し、今後もリアルとオンラインのハイブリッドマネジメントを確立することがいよいよ求められる状況になってきたと思える。

クライアントには、各社のハイブリッドマネジメントについて、共に考えていくことにしようと考えている。


2020年10月1日木曜日

思考中心の会議を短くする

先日、クライアントのマネージャから会議の進め方に関して書いてとリクエストがあった。このマネージャはどちらかというとベテランで、周囲からもアテにされているし、その自覚もある人だ。 

そのマネージャが比較的新しいマネージャから「そういえば、教えてもらったやり方を思い出した」と言われたという。
どうも自身が学んだものと新しいマネージャが学んだものは大きな違いはないけども、微妙に違うところがあるようだ。そこに何かがあるのかないのか知りたいということだった。 

➽➽会議の目的を再確認と事前準備がもたらすもの 

問題を・課題を明確にする、新たな情報を共有する、解決策やアイデアを考える、モノゴトを意思決定する、・・・・など概ね8つの目的に分類した。 

しかし、実際は、一つの会議体の中で、いくつもの目的が存在し、短時間であろうが長時間であろうが限られた時間の中で決定することは決定し、次に進まなければならないことには変わりはない。 

加えてコロナ禍において会議のオンライン化が進み、会議に出席するための移動時間が大幅に削減された。これはこれで出席者側に立てばありがたいことだろう。 

ありがたいことには違いはないが、その後のアクションが大切であることは変わらない。特に会議出席するために移動していた場合は、帰りの途上で、会議を振り返り、次のアクションを考えていたりするものだ。 
これをやらない人は、オンライン化したところで、物理的移動がなくなったというだけで、そこに成長はあまり見られない。単にこなしているだけとなる。 

またオンライン化をしていないとしても、会議ではマスクを着用している。
マスクをしたまま、長時間、思考することは結構しんどい。
酸素不足で頭が痛くなるのは気のせいだとしても、やはり短くはしていきたいところだ。
















➽事前準備を促し短くなるきっかけをつくる 

定例会議や連絡会議などの日時と内容が、ガチガチに決まっているものは別として、解決策やアイデアを練るための会議、進捗状況を確認し、次の行動促す会議であれば、オンライン会議に慣れて、これをうまく活用していくと、会議時間は短くなり、周期が早くなっていくものだ。 

理由の多くが、時間的余裕が生まれたことによって、事前に通知されたアジェンダに沿って、事前に考えた上で出席するようになったからだ。 
オンライン会議はリアルに比べて非常に疲れる。これが体感レベルで感じているからこそ、会議を早く終えるためには何が必要かを考えるようになったというところだろう。 

実際、オンライン会議であろうが、リアル会議であろうが、会議は短いことにこしたことはない。 事前準備をしているメンバーが多いチームほど、会議進行は早く、意思決定、実行も早く、着実に成果が生まれていく。 

では、事前準備が会議を一気に短くする魔法の杖となるかというと、そうではない。事前準備にもレベルというものがあるので、本当に短い時間で回りだすまでには、期間を要するものだ。 

しかし一部大きく時間が短くなるものがある。 
思考中心の会議が意外に短いものにできる。 

会議といえば、時間と議題の数のバランスだとよく言われる。 まずここから考えてみることする。 

➽➽思考中心の会議を短くする 

思考中心の会議というのは、問題・課題を整理し明確にする、解決策やアイデアを練る、モノゴトを意思決定する・・・が3大思考会議だ。 
報告・連絡的なものは、普段の報・連・相でなんとかなってしまうものだ。 
もちろん一体感を創り出す目的の中間報告会議や成果報告会議などは別だ。 

➽時間によって議題を設定する 

会議を短かくしていくには、時間によって議題に優先順位をつけ設定していくのが単純でわかりやすい。これは定例的な会議であれば効果があるだろう。 
しかし、ここには落とし穴があって、リーダーが「扱うべきこと」だけに集中しがちだ。メンバーの意思が反映されていない議題の会議は、当然モチベーションが下がり、集中度も下がる。 

➽議題によって会議時間を設定する 

反対に、「扱うべきこと」によって、会議時間を設定することもある。
検討時間が多く必要と判断される場合は、議題を絞り込み、会議時間を見込んで設定する。 しかし、これとて、リーダーが「扱うべきこと」を常に優先することに終始するので、やはりモチベーションも集中度も下がる。 

➽「扱うべきこと」と「扱いたいこと」のバランスを取る 

問題があるとすれば「扱うべきこと」の理由がメンバーに伝わっておらず、リーダーが一人で設定していることだ。 
理由が伝わっており、「扱うべきこと」がメンバーにとって「扱ってもらいたかったこと」であれば、その議題はすでに共有化されたことになる。 
この違いは大きい。 

➽思考中心の会議を短くするためのテンプレート 

以下は私が思考中心のプロジェクト会議で使うテンプレート 

1.イントロ 

1)まずメンバーが現在どんな位置にいるのかを確認する。 
位置というのは物理的な場所のことではなく、感じていることだ。
確認方法は、全クライアントに共通するもので、いつもの質問と言えば「ああ、あれか」と思い出せるだろう。 
一人ひとりに対してコメントをする時間的余裕があればする。 なければ、最後にまとめてコメントする。 コメント内容は、会議にドライブをかけるためのものであれば何でもいい。 

2)本日の議題 議題は最大3つまで。事前通知を原則とする。 資料がある場合は、それも一緒に配布しておく。 

3)追加の議題の有無を確認 
事前通知した議題以外に「扱いたいもの」があるかどうかを確認する。 
会議途中での追加もOKとする。 

2.議題を順番に進めていく 
必ずしも順番にやる必要はない。場合によっては飛ばす、割愛する、順番を入れ替えることも躊躇なく柔軟に行う。 
議題ひとつひとつの終わりで、次回議題となるものを明確にしてから、次の議題に移る。 

またどうしても事前資料を読み込む時間が取れずにいたメンバーがいることがわかった場合は、敢えて、そのための時間を15分~20分程度取ることもある。 これをするのは、あくまで足並みを揃えるためだ。 

会議に入るセットアップができたところで、一つの議題に対して意見やアイデアを出し合っていく。
この時、考えてきたことをそのまま出してもらうことに集中する。
ジャッジしがちなので注意する。 

また先に出た意見が優れている場合、後から意見を言うことになったメンバーは声を発することをためらうことにもなる。 

これらを防ぐには、一つ目の議題に入ったところで、意見やアイデアを書く時間を設ける。そして書いたことをそのまま読む・見せるだけで良いと促す。 

次にやることは、意見・アイデアを具体的にしていくことだ。 
すでに具体的になっているものはいいとして、漠然としているものを具体的にする。これには5W2Hで見ていけば自然と具体的になっていく。 

そうこうしているうちに、優れた意見・アイデアに集約されていく。 
これはマジックでもなんでもない。 全てのメンバーの意見やアイデアをしっかり聞き、受け取るだけで集約されていくのだ。

結局、ジャッジすることはほとんどなくなっていく。 

3.次回議題の整理と役割分担 

上記の議題ひとつひとつの終わりで役割分担をせず、3つの議題を全て終了した時点で、次回議題を整理し、次回会議の開催日時を設定する。 
もちろん次々回に回すものもあることが前提だ。 

次回のアジェンダは、この時点で、ほぼできあがる。 
その上で、次回の会議で、他に「扱いたいこと」の有無を確認し、必要であれば追加し、優先順位をつける。 

最後に役割分担をする。この時、役割を果たす上で、期間的に余裕がなければ、その方面が得意な人に依頼する。 期間的に余裕があるのであれば、得意な人をアテずに、違う人が担当するようにする。
もちろんアドバイザーとして、得意な人に相談できるようにセットアップしておく。 

そして最後に、どこに位置しているのかを質問する。 
位置に関する質問は、最初か最後だけのどちらかでも良い。 
このように進めていけば、たいてい、チームによる思考中心の会議は繰り返すほどに短時間になる。 

実際、私が預かるプロジェクト会議は、議題3つで、その重さもさほど変わらないのに、6時間→4時間→3時間となり、コロナ禍でオンラインで実施するようになって、1時間30分まで縮まったチームもある。 

結局、思考中心の会議を短時間でできるかどうかは事前準備としてメンバーが考えているかどうかにかかっているし、またそれに対するモチベーションもあるということだ。 

また会議進行中では、メンバー全員が話ができる環境をいかに整えるかにかかっている。 
上記のテンプレートでも割愛することもあるだろうし、もっと短時間で終えられるものもあるだろう。 

いずれにしても会議進行スキルとしてのファシリテーションの目的=あくまで進行を介助することに立ち戻れば良いことだ。 
最後にこのテンプレートが、リクエストしてきてくれたマネージャに役立てば嬉しく思う。

2020年9月1日火曜日

BCPの価値と見直すポイント5つ


本日9月1日は「防災の日」8月30日~9月5日までが防災週間。
2011年の東日本大震災後、多くの企業が地震対策の一環で、BCPに取り組んだ。その後、豪雨・スーパー台風が各地で相次いだが、当該地域は別としても、直接被害がなかった地域は、見直すことは少なかったことはよく聞く。

さらに2020年になって、新型コロナ感染症対策が要請され、企業にとっては、経済的ダメージが大きくのしかかった。そして感染症対策もBCPの一つとして扱われるようになった。
感染症対策そのものは、2009年の時点で策定されていたのだが、これまで大きく扱われることはなかった。

加えて今年の夏場は熱波による猛暑日の連続と熱中症の増加。
これについてもいずれBCPの範囲に入れておくことになるかもしれない。

➽➽なかなか取り組めない中小企業のBCP

中小企業ではBCP対策が進んでいるかどうかといえば、進んでいるとは言い難い。なにしろ、少ない人数で事業を回しているのは、どこも同じだろう。
そのために、内閣府が定めた「事業継続ガイドライン」があり、中小企業庁が「新型インフルエンザ対策のための中小企業向けBCP策定指針」を出している。
これを参考につくれば、早晩、完成させることはできるだろう。
各社の各事業まで細かくフォローされたテンプレートではないので、会社全体は当然としても、少なくともフロント系とバックオフィス系のものが用意されていなければ、意味をなさないので注意したいところだ。

➽予防対策とBCP

またBCPはあくまでも、その名前の通り「事業継続計画」だ。
事業を継続し、回復・復旧するための実行計画であるので重要だ。

しかし予防対策としての防災対策や感染防止策と混同されていることを少なからず見受ける。
防災対策や感染防止策は、その名前の通り、BCPが発動される前段階で必要な対策。ややこしいことは否めないが、問題解決思考における対策の区別をあてはめれば、理解しやすいだろう。

予防対策があって、被害を被らないようにする、あるいは、被害を少なくするようにしておき、その上でBCPが発動され、事業を継続しながら、いち早く回復していくための実行計画となる。
しっかりと予防対策としての防災対策や感染防止策が区別されていれば、BCPの中に含まれていても混同することはない。

➽➽BCPの原則ともたらす価値

予防対策があるから大丈夫だ。避難訓練もしているし、緊急時連絡網もマニュアル化されており、その訓練もしているから大丈夫だ。合わせて備蓄もしているので大丈夫、時差出勤や在宅勤務の体制も考えてあるから大丈夫だと考えている中小企業も多くある。

予防対策とその実行は、あくまでも被害を少なくするためのものであるから、現在以上の価値がもたらされるわけではない。
では、BCPではどのような価値がもたらされるのか?

➽BCPの原則

BCPの原則は、社員の安全確保。
企業の事業活動を回復させ、社会に商品・サービスを提供し続けることが目的であるが、これを担うのはあくまで社員。だから大前提となる。
このブログでも数回書いてきたが、社員の安全確保が第一。
これが顧客を守ることにつながる。

今回の新型コロナ対策で、とある地方のショッピングモールが逆をやってしまい、モールに務める従業員が感染クラスターになってしまった。「顧客を守ることが第一」としたために、従業員の安全確保が疎かになってしまったということだろう。その時の気持ちと判断はわからないでもない。

➽BCPがもたらす価値

以下、BCPが作成されており、社内で共有化されている場合、どのような価値がもたらされるのかをまとめた。

●事業活動の観点
これが最大の価値であることはいうまでもない。
災害時・感染拡大時における事業活動を混乱なく継続・回復できること。
更に、自社にとって重要な業務とリソース、これに伴う予防対策を改めて確認することにもつながり、通常時の業務効率や経営判断にも役立つ。

●ブランディングの観点
社会が求める商品やサービスを平常時より劣るものの、提供し続けることで、社会的責任を果たすことになり、長期的には、企業イメージの向上につながる。
また、災害時・感染拡大時の自社としての対策や代表者からのメッセージを社外に発信することにより、リスク管理を徹底している企業として、取引先や顧客からの信頼を得ることも可能となる。不安の中に「安心感」を提供することになるからだ。

➽➽実行できるBCPにするために見直す

防災対策にしても、BCPにしても作って終わりというわけではない。
この計画が実行できなければ意味をなさない。
計画づくり自体が目的なのではなく、実行可能な計画を立て、マニュアル化し、共有化することが重要だ。

ReviewOfBCP

















➽BCPを見直すポイント5つ

BCPのポイントとしては、以下のものが策定されているかどうかだ。

●継続・縮小させる事業の選定ができるか?
これは経営層の役割だが、中核となる事業と他の事業をどのぐらいのレベルで継続し、徐々に回復させていくかを決めておく。
自然災害の場合は、人が動けてもインフラが分断されている可能性があるので、
サプライチェーンが機能しないこともある。
その場合を想定したBCPが必要となる。

●人員と業務をどうマネジメントするか?
感染症の場合は、チームによる交代勤務や在宅勤務によって、ある程度の事業継続は図れるが、自然災害の場合は、出社そのものが不可能になる場合もあるし、業務を続けること自体が不可能になる場合もある。そうなった場合を想定して、社員一人で複数の業務を進められるように、業務のマニュアル化と訓練はしておく必要はある。
もちろん、ここにはマネジメントもクロス型でやる必要も発生することを視野に入れておく

●運転資金の確保をしておく。
いくら事業を継続できたとしても、自然災害によりインフラが分断されたり、感染症で社員が身動きできず、事業停止に追い込まれた時のことを想定し、最低でも3ヶ月程度の運転資金は確保しておかねばならないことは、東日本大震災での復旧や新型コロナ対策で明らかになった。投資的に考えて蓄えておくことは必要だろう。

●BCP発動基準は明確か?
自然災害の場合はどうするか、感染症の場合はどうするか、どのような状況になれば、どのような体制でBCPを発動するのかを決めておく。
もちろんその際の指揮系統、経営トップの代役の想定も必要だ。

●備蓄はあるか?
これはBCPの範疇ではなく、あくまで予防対策(防災対策、感染予防対策)ではあるが、備蓄の必要性はわかっていても、フタを開けてみれば備蓄をしていなかったとよく聞くので、敢えて上げておく。
何を備蓄しておく必要があるか?どれぐらいの備蓄が必要か?のリストが明確であり、かつ備蓄そのものが実行されている状態を普段から保っておく。
自然災害のリスト内容と感染症のリスト内容は違うものであるはずだ。

以上の5点に答えられないBCPだと、誰もが困ることになるので気をつけたい。
他にもあるだろうが、今あるBCPの最低この5つのポイントだけは見直して、更新しておくことをお勧めする。

➽共有すること・共有化すること

誰が見てもわかる・できるレベルようにすることによって「共有」となる。
その上で、一人ひとりが自分が何をすべきかを判断し、行動に移れるようにすることが「共有化」
少なくても共有まではしておきたいところだ。

最近、小規模な地震が続いている。
自然災害と感染症が重ならないことを願うばかりだ。


今回の記事を作成するにあたって、リスクマネジメントのコンサルタントである秋月雅史氏にアドバイスをいただいた。感謝の意をこめて、彼の最近の研修内容をリンクしておく。

2020年8月22日土曜日

オンライン研修・会議へ出席する前に注意すること3つプラス1

オンライン研修を実施する側にしてみると、出席者のPC設定と接続操作のもたつきによってスタートが遅れることが度々ある。
知人のコンサルや研修講師に聞いても、大抵スタートは、5分~10分程度は遅れるという。

online MTG pre-set-up





➽➽オンライン研修・会議出席する前に注意すること3つ

リアルの研修や会議に出席する時は、少し余裕を持って会議室に行くのは常だろう。事前に配布されている資料も確認もしているだろうし、前回記録も確認しておくのも常に怠りなくやっているとして、それでもオンライン会議のスタートが遅れる。
なぜかを考えるまでもなく、それは慣れていないだけのことだ。
パソコン苦手という思い込みにも似た意識が邪魔をしているようにも思えるが、電話でできたことができないはずはなく、習慣的になっていないだけのことだ。

➽接続するまでの「もたつき」をなくそう

電話が鳴ると受話器を取る、あるいは受信アイコンをタップするだけで会話がスタートする。
オンライン会議だと、大抵、会議のURLが送られてくる。これをクリックもしくはタップすると接続される。
この時。事前にヘッドセットを装着するひと手間がある。どんなグループやどんなチームでも、ここでもたつく人が一定数いる。
ヘッドセットを装着する→URLをクリック(タップ)する→許可されるまで待つ。
これだけのことだが、もたつくとそれだけで時間をロスする。

➽映り具合を事前に確認しよう

接続できても、逆光になっていたり、部屋の電灯の真下にいたりすると、その表情は、ほとんど影になってしまっていて見えない。これはファシリテータ泣かせとなる。相手に表情を見えないということは、暗い印象しか与えず、体調がすぐれないのか?敢えて見せたくないのか?といろいろと余計なことまで考えてしまうので、気をつけよう。
接続前に映り具合を確認し、照明をあてるか、逆光にならない場所に移動し、自分の顔がしっかり映っているか確認しておく。

➽マイクチェックも事前に必ずやっておく

特にPCを共用している場合は、前回使用者が設定を変更している場合もあるので、要注意。人によってはヘッドセットを使わない場合もあれば、使う場合もある。PCの処理はヘッドセットのマイクとPC内部のマイクとWEBカメラのマイクのボリューム設定は別になっている場合もあるので、確認は必須。

研修や会議が始まる前に、確認しておき、その状態でミュートして、アクセスすれば良い。

少なくとも、参加するだけなら、以上の3つをしっかりやっていれば、会議のスタートでもたついて遅れることはない

➽➽プラス1=研修・会議開始までの手順を自分でやってみよう

大抵のオンライン会議アプリは、無料でも使える。
自分がミーティングを設定し、参加してもらいたい人に招待をしてみよう。
そうするとどれぐらいの手間がかかるかも理解できるだろうし、お互いのサポートもしやすくなるだろう。
ミーティングでなくても、短い時間でいいので、やってみよう。
接続するまでの流れを覚えてしまえば、後は応用だ。

わからないのはやってないからわからないだけだ。
やらない内からパソコン苦手と思い込んでいるだけだ。
電話を使うのと同じレベルで、ほぼ自動的に使えるようになるまで、自分発信で練習してみれば良いことだ。

慣れていない人は、この3つ+1から始めていけば良い。
そして以下も参考に、オンラインコミュニケーションのスキルを上げていこう。
●リアルとオンラインコミュニケーションの決定的な違いと対処
●続・リアルとオンラインコミュニケーションの決定的な違いと対処
●リモートワークのコミュニケーションを効果的にする方法

2020年8月7日金曜日

続・リアルとオンラインコミュニケーションの決定的な違いと対処

オンラインであっても、しっかりと相手に配慮して、コミュニケーションが取れている人は確実にいる。
こういった人は変化に対する適応能力が高いか、オンライン・コミュニケーションで配慮することに工夫している人達だ。決して話し方が上手い人とは限らないが、確実に使い分けている。
反対に何も変わらない人もいる。
意外にリアルコミュニケーションの伝え方が上手いとされる人でも伝わらない人もいる。しかしこの手の人はこだわりが強くあるだけで、違いが理解できれば、すぐに切換えられるだろう。

➽➽オンラインコミュニケーションでの「音」

切換えられない・使い分けができない人は、強いて言うなら、リアルコミュニケーションでも配慮に欠けがちな人だろう。
オンラインコミュニケーションの配慮については、前記事「リアルとオンラインコミュニケーションの決定的な違いと対処」を参照願いたい。
今回はオンラインコミュニケーションでの「音」に関する配慮に焦点をあてた。

➽マイクはほとんどの音を拾っている

WEBカメラに内蔵されているマイクはほとんどの音を拾っている。ノートPC内蔵のマイクを使用している人も要注意。WEBカメラに比べると性能は落ちるが、音は確実に拾っている。
距離と音量の関係で、遠くて小さい音は拾わないが、近くの小さい音はしっかり拾う。遠くの大きい音も当然拾う。
近くの小さな音は自覚の問題でもあるので、ここで確認しておこう。

OnlineCommunicationKnowHow2

















➽近くの小さい音で目立つもの

コミュニケーションには雑音が常について回る。それはリアルであっても同じだ。コミュニケーションモデルの図を思い出してもらいたい。真ん中にどーんと「雑音」とあったことを思い出す人もいるだろう。
「雑音」には大きくわけて2種類あるが、オンラインにおいては自らが気づかず発している物理的な音をどれだけ排除できるかもスキルの一つだ。

あまり神経質になるのもどうかと思うが、気になるところは人によっては違うものだ。可能な限り、余計な雑音の発生は抑えておきたい。
以下は、意外に気づいていない近くの小さい音のよくある例だ。

①聞こえていないと思っている小声や舌打ちがダダ漏れ。
これはよくある話しで、相手が気づかない振りをしてくれているだけだろう。
あるいは相手が気にしないようにしてくれているのかも知れない。ほんのわずかな舌打ちが聞こえてくる時がある。これは多人数の時にありがちだ。
また他者の発言中に「よくいうよ」といった批判的な独り言が聞こえてくる時がある。これは雑音のもうひとつの種類である心の声が漏れてしまっている。
対処法としては、自分が発言していない時はミュートする他ないだろう。

②飲料を飲む音が聞こえている
特に飲み口を離す時やストローで吸っている音はよく聞こえる。
あるいはボトルを上げ下げする時の「チャポンチャポン」という音も同じく。
飲む時だけミュートするか我慢する他ない。

③何気ない咳払いも結構うるさい
多分、本人は咳払いをしたことさえも気づいていない。
気づいていないので、マイクに向かって咳払いすることになる。
相手には単なる大きな雑音となって聞こえる。
これもその時は、マイクミュートするか、マイクと正反対を向くしかないが、後者はいきなり顔を背けられたと勘違いされる恐れもあることもわきまえておく。

④マスク越しに聞こえる鼻息とため息
複数人が同じ部屋で距離をとって着席してオンライン会議に参加している場合は、マスクを着用しているのは良いのだが、そうすることによって口元が隠れているので、安心しているのか、そのままマイクに向かって鼻息やため息を漏らしている。大きな音で聞こえてくるので、気をつけたいところだ。
これもミュートで回避できるが、1対1の時や少人数の時は、ミュートはあまりしないので気をつけたい。

⑤電話の時と同じように声が大きくなりがち
電話の時に限って大きな声で話す人がやりがちだ。PCに内蔵されているマイクは最大音量を越えないように減衰させようとする。そうするとアナログメーターで表すと針が振り切った状態の連続になり、割れた音が相手に届く。
通常での話す音量で十分だと捉えておいて問題ない。

⑥振動の音が聞こえている
ノートPCではあまりないが、デスクトップ型PCのキーボード入力の音にも注意したいところ。
特にENTERの打鍵時。必要以上に力を入れて打鍵する人がいる。
これが机などの硬いものの上にPCを置いて打鍵すると、キーボードの打鍵音もさることながら、その振動音をマイクが拾い、これが出力される。
ドドドッという重低音が聞こてくるやつと言えばわかりやすいかも知れない。
入力は軽目の打鍵であったも大丈夫だと知っておこう。

これらの音が小さなスピーカやイヤホンでは立体的に聞こえているわけではなく、のっぺりと均一化された状態で聞こえる。つまり近くの小さい音と遠くの大きな音の音量にさほど違いはないということ。オンラインの音とリアルの音の聞こえ方は随分違うことに多くの人が気づいているはずだ。

➽オンライン会議を録画して確認してみる

総じて、リアルでは視界いっぱいに全体が見えているので、音が際立つことは少ない。これは五感で捉えているからだ。
しかしオンラインでは、これが嫌でもよく聞こえてしまうので注意したい。
一度オンライン会議を録画して、確認してみると、上記したこと以外でも気づくことは多々あるだろう。

➽➽画質が良くても音質向上はこれから

大抵の人はノートPCとWi-Fiを使ってオンライン会議に参加している。
Wi-Fiといってもインターネット回線上でコミュニケーションを交わしているので、電話回線ほどの音質は期待はできない。
上記したいわゆる雑音とは別問題。
画質が良いことに越したことはないが、その分インターネット回線の帯域を取るので音に割り当てられる帯域は狭くなる。
専用線を契約していない限り、接続プロバイダのベストエフォートでしかない。
一回線でのインターネット接続とその利用、そしてオンライン会議への参加者数が増えれば増えるほど、画質も劣化し、音も劣化するのは否めない。

Wi-Fiよりも有線LANで接続しておく方が安定する場合も多々あるので、自社の接続環境を鑑みてうまく使い分けていく他ないだろう。
あるいは接続できるインターネット回線を増やすぐらいだろう

あわせて、テキストコミュニケーションについて書いた記事も参照してもらえれば、使い分けの必要性も理解していただけると思う。

Featured Post

現在ツイッターに注力しています

普段、さまざまなクライアント様とのセッションのなかで お伝えしていること・お伝えしきれなかったことも含めて ほぼ毎日、伝えております。 時々、脱線して個人的なやりとりもしております。 いいねをしていただけたり、リプライ、RTをしていただけるとありがたいで す。 https://t...